還暦になってもお笑いライブがしたいから

── 今はお笑いの仕事に力を入れられているんですね。

 

田村さん:はい。今でも、インスタライブ中にバスケの試合がやっていれば「バスケの試合が観たい」とも思うんですけど(笑)。でも、やっぱり芸人として死んでいきたいという思いがあって。そのためには、50歳、60歳になってもライブをしていたいです。ライブをやったらお客さんが来てくれるとか、田村をゲストで呼んだら動画の視聴者数がちょっと増えるとか、芸人としてそういう存在でありたいです。

 

── インスタライブもやられているのですね。

 

田村さん:今は芸人として、足元を見て頑張っています。インスタライブはやってもやっても視聴者数が増えなくて、心が折れかけることもあります(笑)。けれど、来てくださった視聴者さんたちに励まされながらも、続けてますね。

 

田村裕
「今はやれることを地道にやっていきたい」と語る田村裕さん

── ソロライブということは、ネタも田村さんが書かれているんでしょうか。

 

田村さん:はい。今までお笑いのネタは川島くんが書いていたのです。でも、ぼくも芸人を20年間やっているので、ネタを一度も書いたことがないというのは違うなと思って。放送作家さんたちに助けてもらいながら、できることを一つひとつやっていくという感じです。コロナ禍以降は大阪に拠点を移して、ありがたいことにお笑いの仕事もいただいています。原点に帰るというか、自分の足元をみながら芸人としてすすんでいきたいと思います。

 

PROFILE 田村裕さん

たむら・ひろし。お笑いコンビ・麒麟のツッコミ担当。舞台やテレビで活躍する一方で、近年はバスケ芸人としても活動の場を広げる。2007年に発売された『ホームレス中学生』(ワニブックス)は、発行部数225万部を突破するベストセラーになる。

 

取材・文/大夏えい 写真提供/田村裕