バスケの国内リーグ「Bリーグ」が発足する以前から情報発信を続け、バスケ芸人としても地位を確立したお笑い芸人・麒麟の田村裕さん。しかし今、お笑い芸人としての自分と改めて向き合っています。(全4回中の3回)
自分がやれることはやりきった
── 田村さんは、現在バスケのスクールもプロデュースされていますよね。
田村:はい。今は芸人をやりながら自分でバスケのスクールを運営しています。東京と大阪で合わせて12校ほどありますね。休みがあったらスクールに顔を出して、ぼくが教えることもあります。各校にコーチはいるんですけど、みんなで連携しながら運営しています。
── 「Bリーグ」発足以前からバスケについて発信されていましたが、今はスクールを運営するという形で、バスケに貢献しているんですね。
田村さん:そうですね。バスケのおもしろさを子どもたちにも知ってほしいです。バスケって、プレーする側で言うと誰もが主役になれる可能性があるんですよ。バスケは5人しか出られないので、人数は少ないんですけど。逆に、コートが狭いのでボールがリングに届けば、初心者でも、全員が得点をとれる可能性があるスポーツですし、得点を決めたらその人が絶対に主役になれる。
── どのような思いで運営をされてるのでしょうか。
田村さん:シュートを決めて、自分が主役になる瞬間を子どもたちにも感じてもらいたいです。僕は基本的に自分に自信がないんですけど、バスケをやっているときは安心感があるんですよね。好きなものや、得意なものがあれば「オレにはバスケがあるから大丈夫」っていう前向きな気持ちにつながっていくと思うんです。そういう気持ちをバスケを通して、子どもたちにもってもらいたいです。あとは純粋にバスケはやるのも見るも楽しいです。こんなおもしろいスポーツはないと思っているので、バスケをとおして夢中になる気持ちをもってもらえればと思います。
── 現在はバスケとお笑いどちらの仕事がメインなんでしょうか。
田村さん:今は完全にお笑い芸人のほうに軸を置いています。というのも、僕がバスケットボールの発信を始めた10年ほど前は、まだバスケの国内リーグ「Bリーグ」も発足していない時期でした。自分がバスケの発信をすることで、バスケを少しでも盛り上げたいという気持ちで仕事をしていたんです。でも、今やバスケは人気のスポーツになって。自分がやれることはやれたのかなという気持ちでいます。
── バスケ芸人として、やりきった感があるんですね。
田村さん:バスケは今や大人気のスポーツですからね。もちろん今まで見てきた歴史もありますし、今でもたくさん試合を見てます。たぶん、芸能界ではバスケにいちばん詳しいんじゃないかと思っているので、今でも仕事はさせてもらっています。ただ、バスケ人気に火がついた今は、僕もひとりのバスケファンとして、バスケを楽しんでいる感覚なんです。そうなったときに、改めて今後、何がしたいかと考えたらやっぱりお笑いがやりたいと思いました。お笑いが大好きなんで。今はひとりでソロライブをしたり、インスタライブもやっています。