離婚でもないのに、突然、娘と妻が離れた土地で暮らすことになったときの男親の心境。家に残されたのは、食べ盛りの中学生2人。家事も育児もわからない。お手上げなんていっていられない。ダイアモンド☆ユカイさんの男3人暮らしはいかに。(全5回中の4回)
保育園の運動会でまさか「うちの娘、早すぎる…」
── お嬢さんと双子の息子さん、3人のお子さんのパパとして知られるダイアモンド☆ユカイさん。お嬢さんとはいま離れ離れで暮らしているそうですが…。
ユカイさん:娘はいま関西にいて、アーティスティックスイミングの選手として特訓しているところです。昔でいう、シンクロナイズドスイミングですね。ジュニアオリンピックでは団体とソロで金・銀メダルをとっていて、いまはオリンピックを目指して頑張っています。
── オリンピックを目指しているとは素晴らしい!やはり小さいころから英才教育をされてきたのでしょうか。
ユカイさん:そんなつもりはまったくなかったのだけれど…。娘の身体能力に気づいたのは、保育園のときでした。娘は東京生まれですが、空が大きいところで育てたいと思って、一時期、栃木の田舎で暮らしていたんです。保育園も都会とは違い、泥んこの中で伸び伸び育てるという教育です。
あるとき、娘の保育園の運動会を妻と一緒に観に行ったら、かけっこでカモシカのような走りをしている女の子がいる。もう圧倒的で、ほかの子と10馬身くらい差がついている。どこの子だろうと思ったら、それが自分の娘だった。「なんだこれ!」と思いましたね。妻と「この子は身体能力が高いらしい。それを生かせるようなものに出会わせてあげたいね」という話になって、まず水泳教室に通わせることになりました。双子の息子たちも一緒です。
最初はみんなとふつうに水泳を習っていたけれど、じつはその教室はアーティスティックスイミングも教えていて。コーチに「お嬢さんもやってみませんか?」と声をかけられ、参加することに。小学校2年生のときです。そうしたら、もうメキメキ上達していくじゃないですか。
── 自慢の娘さんですね!
ユカイさん:ところがあるとき、「パパ、話があります」と娘からいきなり切り出されて。何かと思ったら、「私には夢があります。オリンピック選手になりたいんです」と。そう聞いたときは純粋にうれしかったよね。でも「よかったじゃない。じゃあ頑張ろうよ」と言ったら、「そのために大阪に行きたい、この世界で有名な井村雅代先生に教えてもらいたいんです」と言うではないですか。小学校6年生の春でした。