2024年10月に芸能活動を再始動するニュースが報道された小日向しえさん。24歳で長男を出産してから育児に没頭して20年。同世代の活躍に嬉しい反面、悶々とすることもあったと言います。(全4回中の1回)

もちろん、羨ましく感じる瞬間もあった

提供/MOON TREE PLANET/zero two THREE

── 2024年10月にインスタグラムで芸能活動の再始動を明かし、反響を呼びました。どんなふうに受け止めましたか?

 

小日向さん:「ネットニュースに出てるよ」と周りから連絡が来るまでまったく知りませんでした。私自身、「よし、やるぞ!」と意気込んで再始動を宣言したつもりではなく、新たに事務所に所属して、プロフィール写真も撮り直していただいたので、フォロワーの皆さんにも見ていただこうとインスタに投稿したら、ネットニュースになっていて驚きました。関心を持っていただけることはすごくうれしいですし、本当にありがたいなと、思っています。

 

実は、2023年の夏ぐらいから、お芝居のオーディションをコツコツと受けたりして、地道に活動を続けていたんです。これからも自分のペースで一つひとつのお仕事に丁寧に向き合っていく姿勢に変わりはありません。

 

── 育児もひと段落し、本格的に活動再開ということですが、そもそも芸能界を引退されていたわけではなかったのですね?

 

小日向さん:はい。「引退します」と特に宣言したわけではありません。結婚して子どもが生まれてからも、『おでんくん』(NHK教育)のガングロたまごちゃん役で声優のお仕事をさせていただくなど、子育てに無理が生じない範囲でできる仕事を続けていました。24歳で長男を出産したのですが、子育ては本当に未知の世界。目の前の小さな命に日々向き合うことに必死で、お仕事に全力投球することがなかなか難しかったんです。当時は、今ほどネットが普及していませんでしたし、周りには同じような月齢の子どもを持つママ友がいなかったので、育児書や子ども関連の本を読んでみたり、子どもと習い事に通って、ママ友を作ってみたりと試行錯誤しながら過ごしていました。

 

2人の子育てに奮闘するなか、同年代の仲間たちが活躍しているのを見て「頑張って」と思う反面、「私ももっとお仕事したいな…」ともちろん、羨ましく感じる瞬間もありました。社会からかけ離れていくように感じる時もありました。でも、とにかくまずは子育てに集中し、身の回りの態勢が整ってから、もう一度仕事に向き合おうと思っていたら、あっという間に年月が経っていました。