餅つきネタでブレイクし、その後も活動の幅を広げているお笑いコンビ クールポコ。のおふたりに「男らしさ」が表現されるネタの真意を伺うと、意外な答えが返ってきました。

たくさん仕事が入っても「浮かれることはない」

── 2000年にデビュー後、餅をつくネタで大ブレイクしました。ベテランの域に来ていると思うのですが、これまでを振り返ってみていかがですか。

 

小野まじめさん:『エンタの神様』や『爆笑レッドカーペット』で一気にテレビに出させていただいて忙しくしていました。その反動といいますか、最初ほどはいかないけど、落ち着いたなという時期はありましたよ。

 

クールポコ。さん
ワイワイ楽しそう!BBQをするクールポコ。のおふたり

でも、その後、仕事の量は徐々に増えていった感じです。僕らはイベント芸人なので震災やコロナ禍の影響を一気に受けます。人の集まるイベントがなくなると、僕らも仕事がなくなるというのはありますけど、ありがたいことに今は、最初にバーンとヒットしたときと同じくらいの稼働をさせてもらっています。

 

せんちゃんさん:僕らは完全に景気と連動している感じがありますね。

 

── コロナ禍では、皆さん先行きの見えない不安に襲われました。

 

小野まじめさん:仕事が入っていたのに一気にすべてなくなったという経験があるので、今、たくさん仕事が入っていても絶対、浮かれることはないですね。でも、こう思っているのは僕らだけじゃないと思います。

 

── 低迷時期はどうやって乗り越えるのですか。

 

小野まじめさん:そういうときはもう仕方ないと思うしかないです。イベントがなくなったら、YouTubeにシフトチェンジしたり、SNSの更新したり。目の前にある、できることをしていくだけだと思っています。でも、せんちゃんは、個人のSNSはほぼやってないよね。

 

せんちゃんさん:もう年に数回ですね。しなくてもいいのなら僕はあんまり報告したくないんですよ。

 

小野まじめさん:わざわざプライベートを載せることはないって感覚なのかな。

 

せんちゃんさん:プライベートは謎でいたい。いや、自分に興味がある人がいるのかわかんないなって思っちゃうんですよね。

 

小野まじめさん:一時期、「自分らをプロデュースしていくのも大事だから、やったほうがいいんじゃないか」と意気込んだけど、たぶん1週間と続かなかったよね。

 

せんちゃんさん:ワンちゃんとラーメンを載せて頑張ろうと思ったんですけど、なかなか続かなかったですね。

 

小野まじめさん:僕もなるべく発信した方がいいと思っているんですけど、報告することがあれば載せようという感じです。たまに僕がSNSで載せた内容が勝手にバズったりすることもあるので、それはおもしろいところでもあります。これからもマイペースに更新できたらなと思っています。

流行りに乗らず古風なことを言うおもしろさ

── クールポコ。さんのネタのキャラクターと実際のおふたりの性格は、似ているところがあるんですか。

 

せんちゃんさん:衣装もそうですけど、師匠っぽい人と弟子っぽい人っていうのは、お互いの性格がネタのキャラクターとマッチしているところはあるよね。

 

クールポコ。さん
 「男は黙って」美しい滝をバックに撮影するクールポコ。のおふたり

小野まじめさん:せんちゃんが俺の衣装着て、俺がせんちゃんのエプロンつけて弟子という感じだと、たぶん合わないと思うんです。やっぱり逆じゃないかなと感じると思う。

 

せんちゃんさん:かつて、B-BOYみたいな格好をしてラップネタもしてたことがあったんですけど、うまく爆発しなかったんです。それはやっぱり、自分らのキャラとしっくりこなかったからかなと思います。

 

── ネタのなかで、男らしさを全面に出されていますよね。

 

小野まじめさん:世界的に見ても、日本男児、侍魂って言葉があるのは日本独特の文化ですよね。その独特な文化を笑いにしようというのがコンセプトなんですけど。本当は、男とか女とかは関係ないんです。流行りに乗らず、古風なことを言い続ける人がいたらおもしろいかなというので作っているんですよ。

 

せんちゃんさん:そうそう、「流行りじゃなくて、俺だったらこうだ」と。たまたま自分らが男なんで「男は黙って」という言葉を使っていますけど、本当なら「モテるために俺だったら」ですね。内容を人に強制しようという気持ちもまったくないです。かといって僕らが実際にしてるわけじゃないんですけど。「カッコつけて、朝シャワーを浴びてる男がいたんですよ」「なぁーにー!やっちまったなぁー!男は黙って滝!」って、実際は、そんなんできるわけないですからね(笑)。

 

小野まじめさん:あくまでギャグなので、「こんな古風な人がいたらおもしろい」という視点で楽しんでいただけたらと思います。

 

PROFILE クールポコ。さん

2000年11月デビュー。小野まじめ、せんちゃんによるお笑いコンビ。お笑いブームのなか、『エンタの神様』『爆笑レッドカーペット』等で餅つきネタが大ブレイクし、多方面で活躍中。東京・五反田にて「せんbar」をコンビで経営し9年目。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/クールポコ。