娘たちの子育てには口出ししない主義も「うれしかったことが」

── 案外、口を出してしまう人が多いように思います。

 

きょうこばぁばさん:私は何も言わないですね。向こうが相談してきたら答えようと思うけど、聞いてくることもないので。私の子育ては、けっこう自分の方針を通したんです。自分がそういう子育てをしたからこそ、娘も子育てについて私から言われたら嫌だろうな、と。だから、私からは何も言わない。私自身、母親から子育てに口を出されたことがあって、それがすごく嫌だったんです。だから、娘には母からされたことを繰り返したくないなって。

 

ただ、うれしかったのは娘が孫の小学校を選ぶときに、自分の母校を選んでくれたこと。私が娘たちのために選んだ小学校だったのですごくうれしくて「本当にいいの?」って聞いたんですが、娘が「あんなにおもしろい学校はないじゃん」って言ってくれて。それで、自分は間違っていなかったんだなって思いました。

 

きょうこばぁば
YouTubeでは、プチプラファッションの着こなし術や化粧品の情報などが人気を呼び、登録者は10万人を超えています

── いい関係性ですね。家族ゲンカをすることはないんでしょうか?

 

きょうこばぁばさん:ありますよ。でも、家から一歩出たら、そのことはもう忘れましょう、という感じですね。だから、家を出る前はどんなに険悪でも、帰ってくれば元通り、という…のが、理想かしら?(笑)

 

── そのつかず離れずの距離感が仲よしのヒミツかもしれませんね。きょうこさんご自身としては、これからチャレンジしてみたいことはありますか?

 

きょうこばぁばさん:いっぱいありますよ!以前ハマケンのステージを見に行ったときに、ディスコみたいなライブハウスで、DJの人がいて。その方が山口百恵や森進一の曲を、今風にミックスしていて、すごく感動したんです!「やってみたい!私なら絶対できる」って、興奮しながら帰ってきました(笑)。さっそく家に帰ってDJテーブルの値段を調べて、やり方をハマケンに教えてもらおうってワクワクしていたんですよ。

 

でも、結局、YouTubeでは著作権の関係でDJをしている姿を流せないんだってわかって。発表する場所がないんだと思って、ちょっととん挫しちゃったんですけど…。

 

きょうこばぁば
サングラス姿もキマっています!

── DJにチャレンジしたい、という意気込みがまず素晴らしいです。

 

きょうこばぁばさん:あとは、ここ何十年間やれなかった「あのとき、やりたかったな」ということをたくさんやりたいです。たとえば最近、次女が編み物をやりたいと言いだしたので、最近教えていて。あれこれ教えているうちに、私自身も「やっぱり編み物っていいな。また一回やってみよう」と思うようになりました。

 

それで、しまってあった昔の毛糸を出してきたら、介護の仕事に入る前日まで編んでいた作りかけの作品がでてきたんですよ。翌日から仕事だからって、そのときは一度封印したんですね。だから、それを今度こそ完成させたいなって思っています。

 

── 素敵ですね。

 

きょうこばぁばさん:介護施設に勤めていたとき、利用者さんのなかにも「若いときは忙しくてできなかったから、やりたかったことをやってみよう」と、編み物のセットなどを持たせてくれる家族もいるんです。ただ、認知症が進んでしまったり、元気がなくなったりすると、もうできなくなる。「あのときやっておけばよかった」っていうことは、体が動いて、頭が元気なうちにやっておいたほうがいいんだなって思います。

 

PROFILE きょうこばぁばさん

YouTuber、インスタグラマー。66歳から始めたYouTubeチャンネル「きょうこばぁばライフ」は登録者10万人越え。「きょうこばぁばオフィシャルブログ」でもファッションや日々の暮らしについて積極的に発信中。長女はモデルの吾紗さん、娘婿はミュージシャンで俳優の浜野謙太さん。著書に『きょうこばぁばの 人生キラメクおしゃれマジック』がある。

 

取材・文/市岡ひかり 写真提供/きょうこばぁば