専門店では行列ができるなど爆発的な人気を博したタピオカブームが起きたのは、今から約6年前。その後、タピオカ専門店は衰退したのかと思いきや、実はブームを牽引した「ゴンチャ」は今も売上絶好調だって知っていましたか?(全2回中の1回)

タピオカブームが去っても生き残った訳

2018年、女子高校生を中心にタピオカドリンクブームが巻き起こりました。「ゴンチャ(貢茶)」はブームを牽引した台湾発のカフェチェーン。現在、世界で2200店舗以上を展開しています。2006年に台湾で産声を上げ、2015年に日本上陸。タピオカブームのときは大行列ができ、社会現象にまでなりました。しかし、2年ほどでブームが終了。その後は新型コロナウイルスの影響もあり、タピオカ店は売上に苦しんだり、閉店に追い込まれたりしました。

 

「ゴンチャ」の商品
歴代1位の売り上げを記録したいちご杏仁シリーズ(写真はいちご杏仁 フローズンティー)

「私が社長に就任したのは2021年です。苦境を打開すべく色々な新しい企画に取り組んでいたもののなかなか結果につながらず、厳しい経営状況でした」

 

当時をこう振り返るのは、ゴンチャ ジャパン代表の角田淳さん。角田さんは苦境の中でかじ取りを担い、メニューの刷新に取り組みます。パール(タピオカ)などさまざまなトッピングを選べたり、甘さや氷の量を選べたりするのは変わらず、まず打ち出したのが、消費者の季節感にあった季節限定のティー商品の展開。

 

イチゴやピーチなど、旬のフルーツのおいしさと色鮮やかな見た目の楽しさで、ゴンチャのファンにワクワクしてもらうのが狙いでした。また、ファンがいるにもかかわらず意味なく廃止したメニューの中から、フローズンティーやタロなどの商品を復活。こうした試みには理由があります。

 

「ゴンチャはお客さま好みの味わい、飲み方を豊富に取りそろえるティーブランドです。そして、『Brewing Happiness』(幸せを淹れよう)という企業の社会的意義を掲げています。このブランド価値とミッションに立ち返り、進むべき方向性を明確にしました。お客さまを楽しませることを第一とし、ファン(顧客)の喜ぶ顔が見える商品に注力して提供するようにしたのです」

 

「ゴンチャ」の店舗
ビジネスパーソンにも寛いで過ごしてもらえる東京駅構内の店舗

一方で、カフェの定番といえるコーヒーを廃止します。

 

「コーヒーはファンの喜ぶ顔が見えにくい商品のひとつでした。私たちはティーブランドなので、カフェの定番だからと、あえてコーヒーをメニューに並べる必要はない。ティー専門店と認識してもらい、同時にファンにサポートしてもらえる商品に集中すべきだと考えたわけです」

 

ファンを大切にする取り組みは、ゴンチャの店づくりでも実行されました。店内には仕切りのついた席が並び、2人がけより狭い1.5人席を設置。

 

「ティーカフェでのおしゃべりは楽しいひとときです。ファンに楽しんでもらう空間を提供するのも、私たちの努めですからね。2人きりになれる仕切りと1.5席の近い距離でおしゃべりしやすい環境を整えたことは、女性のお客さまを中心に好評でした。一方で、私の着任前にスタートしていた、学生証を提示すれば学割価格になるサービスは機能していたので継続することにしました」