テレビの力を信じてもっと発信したい

チャンカワイさん
ロケ先で。似顔絵ケーキに感動!

── ロケ以外では演技のお仕事もされていますね。

 

チャンさん:はじめて演技の仕事をしたのは、2012年に公開された映画『ロボジー』でした。オーディションに合格したのですが演技については新人で、まわりはベテランばかり。どうしたらいいかわからず緊張していたら、吉高由里子さんや濱田岳さんのようなベテランの方たちが、僕のセリフの練習につき合ってくれて。本当にみなさん優しくて、吉高さんなんて自分の役じゃないセリフまで演じてくれました。

 

その映画の撮影で感じたのが、映画は、俳優部や演出部や撮影部など分かれていて、それぞれのプロフェッショナルが集まって作品に挑んでいくものであり、俳優のみなさんが監督やスタッフが撮りたい絵のために、一生懸命演技をしているということ。どこの現場でも必ずそういうわけではないのかもしれませんが、俳優が100%自己主張するというよりは、考えながら演じているという印象でした。この考え方は、今の僕のロケに対する姿勢にもつながっているかもしれませんね。

 

── 新しいお仕事に踏み出すのは、いろいろと大変なんですね。

 

チャンさん:現在、TBSで放映しているバラエティ番組『巷のウワサ大検証!それって実際どうなの会』でやっている、検証企画もほかにはない仕事ですね。これまで「鮭のみを食べ続けると体重はどう変化するのか」の検証や、「ラーメンをチャーシューから食べたら太らないのか」の検証などがありましたが、この企画のやりがいは、自分が検証したことが人のためになるところ。番組を観た後に視聴者も挑戦してくれたり、SNSで「#チャンありがとう」と発信して感謝してくれる人もいます。

 

以前に「ラーメンはチャーシューから食べれば太らないのか」という検証をしたときは、知り合いのアーティスト経由で、さだまさしさんがそれを実践していて「ありがとう」と言っていると聞いて。すごくうれしかったですね。検証を通して、テレビの力で演者、制作者、視聴者がつながることができ、感謝だけが積み上がっていく。このようなひとつの文化というか流れを作れたことは、僕にとっても誇りですね。

 

チャンカワイ
日本津々浦々を巡るチャンさん

── 今後、挑戦してみたいお仕事はありますか?

 

チャンさん:たくさんの人に、もっとテレビの力を信用してもらえるように頑張るのが目標。そのために、テレビでみんながいろいろなことを学べるような内容を、発信したいと思っています。

 

旅番組で僕が好きな神社や神様のことを紹介するなど知識的なことはもちろん、たとえば僕が「走ることってこんなに気持ちいいんだ!」と体験することで、僕と同じような体型の人が「自分も走れるかもしれない」と思ってくれるかもしれない。バンジージャンプやファイヤーダンスのレポートをすることで、「チャンもやってるし、自分もやれるかな」と、新たな視野が広がる人がいるかもしれません。そういうふうに誰かの学びのきっかけになるようなことを、ジャンルを問わず発信できたらと思います。

 

PROFILE チャンカワイさん

ちゃんかわい。1980年生まれ、奈良県出身。2000年に現在のコンビを結成し、2008年にコンビ名を現在の「Wエンジン」に改名する。近年はロケの仕事が多く、年間で250本以上こなすことも。私生活では2015年に結婚、2人の女の子の父。

取材・文/酒井明子 写真提供/チャンカワイ