心に残っている職場でのパフォーマンス
── 佐々木さんが印象に残っている舞台はありますか。
佐々木さん:今、僕は障がい者支援施設で働いているのですが、そこでやらせてもらいました。自分でアポを取って「やらせてください」と言って、半年くらいかかりました。コロナの時期だったんですよ。大変だったんです。(公演が決まって)すごくうれしかったです。
── 職場の方の反応はどうでしたか。
佐々木さん:最初はびっくりしていました。「だれ?」みたいな。そこからパフォーマンスをして、けん玉をして、ジャグリングをして、「皿回しをやりたい人~」と言ったら「やりたいよ」と言った人とセッションして。なかなか自分でできん子は僕が支えて。終わったら、みんながわーって来てくれて、記念撮影もさせてもらって、うちに置いてあります。心に残っています。
── これからやってみたいことはありますか。
佐々木さん:もっと大きいところでやりたい。自分が仕事としてやっていることは、一生続けようと思っています。
岡崎さん:今後の展開としては、笑いながら最後はちょっと感動できるような、演劇的なものもできたらと思っています。感動させるシーンを2人で「やってみたいね」と話しているんだよね。いずれは、虎太朗くんがクラウニングを教える側になったらいいな、とも思っています。
佐々木さん:障がいのある子たちの個性とか、その人の病気とか見て、「どういうことが苦手なのかな」ということを考えていこうと思っています。人の気持ちとかを考えていきたいんです。クラウン(として)だけでなくて、普段からやっていきたいと思っています。
岡崎さん:虎太朗くんが持っているけれど、僕が持っていないものもあるし、僕が持っているけれど、虎太朗くんが持っていないものもある。それをお互いにシェアするということが大事だと思います。目に見えないものをお互いに補い合うということが、広がっていくといいですよね。クラウンを見た方がそれを受け止めて、教育や医療、それぞれの分野で発信していただけたら、広がっていくと思っています。
佐々木さん:ぜひパフォーマンスを見に来てください。賢一郎さんから連絡させます。マネージャーなので(笑)。
PROFILE 岡崎賢一郎さん・佐々木虎太朗さん
おかざき・けんいちろう、ささき・こたろう。岡崎さんは、プロのクラウンとして2019年より活動。保育園や高齢者施設、病院などでパフォーマンスや講演を行う。2022年に佐々木さんとともに「クラウンToKa & KoTa」としての活動もスタート。
取材・文/林優子 写真提供/岡崎賢一郎、佐々木虎太朗