勉強しなさいと言われたことは
── 両親は多忙でしたが、家族で休日を過ごすことはありましたか?
大和田さん:普段は忙しいですが、休日は夫婦でスケジュールを調整してくれて、旅行にはよく行きましたね。人目を気にしない海外が多かったです。
── ちなみにお母さんから、たとえば勉強しなさいとか、時間を守りなさいとか、言われるようなことはありましたか?
大和田さん:もっと言ってほしかったくらいですね。「勉強しなさい」はまったく言われなかったし、うちは父の方が厳しかったんです。言葉使いから食べ方まで怒られて、何度も家から追い出されました。それを助けてくれるのが母です。母はまぁいいんじゃないって見守るような感じ。実は父が「家に入れてあげなさい」と言っていたようですが、両親でバランスが取れていたんだなって思いますね。
── 3人仲良し家族のイメージがありますが、大和田さんはご両親のどちらに似ていると思いますか?
大和田さん:性格は母で、顔は父ですね。ただ、母は私よりもさらに楽観的で、父は真面目なので、ふたりの血が入っていると改めて思います。3人で話しているときはとても賑やか、というか主に私と母がしゃべっていて(笑)、3人家族なのに手を挙げないとしゃべれないくらいワイワイしてました。
子どものころは寂しいと感じることもたくさんありました。でも自分が一児の母になってみると、当時の母の気持ちがわかるようになりましたね。子ども時代に感じた気持ちを大切にしながら、今は母から受けた愛情と共に娘に寄り添えたらいいなと思いながら日々過ごしています。
PROFILE 大和田美帆さん
おおわだ・みほ。1983年生まれ。東京都出身。2003年、舞台『PURE LOVE』でデビュー。ミュージカル『阿国』、音楽劇『ガラスの仮面』、『アマデウス』『ハリーポッターと呪いの子』など多くの舞台で活躍。「チョイス@病気になった時」にMCとして出演中。1児の母。
取材・文/松永怜 写真提供/大和田美帆