自分の受け止め方を変えよう
── 子育てをするなかで、心かげていることはありますか?
小島さん:そうですね。心がけていることというか、子育てをするなかで「自分の受けとめ方を変えよう」と思うようになりました。子どもに限らず、相手に変わってもらうことって難しいじゃないですか。人を変えようとすることほど、疲れることはないと思うんです。なので、自分が変わるしかないなと。
たとえばうちは夫も娘も片づけが苦手。いくら「片づけて」と言っても散らかったままです。でも、ふたりを変えるのは難しいので、最低限だけ片づけて、あとはもう気にしないことにしました。以前、ある方の記事で、お子さんが手元を離れた後に「小さいころは片づけばかりに気を取られず、もっといっしょに遊べばよかった」というようなことをおっしゃっていて。まさにその通りだと思うんです。だから、私が几帳面になりすぎないようにしています。
── 娘さんは特別支援クラスに通っていることについて、なにか言っていますか?
小島さん:特に私からなにか言ったわけではないのですが、ある日「私はADHDなんでしょ?ADHDってなに?」と聞かれたことがありました。おそらくどこかで聞いて自分のことだと思ったのだと思うのですが、隠すことでもないので「そうだよ」と。「たとえば音とか人よりも苦手なものが少しあるけれど、そのぶん、すごいところもあるんだよ」と伝えました。
最初は「ADHDに生まれなければよかった」と言っていましたが、今は、自分と同じような特性を持つ方のYouTubeを観るなどして、娘なりに受け止めようとしているようです。そうやって少しずつ自分のありのままを受け入れてくれたらと思っています。
1年ほど前からブログに娘のことを書き始めたのも、娘の特性について隠すことではないと思ったためです。娘に「ブログに書いても大丈夫?」と聞くと、「書いていいよ、ママのブログに載りたい」と言ってくれています。
── 今後はどのように成長してほしいと考えていますか?
小島さん:中学に進学してどのような環境になるかはまだわかりませんが、親としていろいろな生き方を見せたいとは思っています。私自身も芸能界に17年にいて、みんなと同じことをするのは苦手で、人と違うようなことを仕事にしてきました。今、娘は、動画を見てまねをしたり、物語を想像してつくるのが得意です。そして、天真爛漫で、やんちゃで人と話すのが大好き。そのような個性をどう活かせばよいのか一緒に考えながら、自分のやりたいことを見つけてくれれたらと思います。
PROFILE 小島可奈子さん
こじま・かなこ。1975年福岡県生まれ。タレント、女優。実業家。1996年にグラビアアイドルとしてデビューし、バラエティ番組やドラマを中心に活躍。2011年で芸能界を離れ、結婚。美容と健康商品を提供する「And.you株式会社」代表取締役。
取材・文/酒井明子 写真提供/小島可奈子