お正月に背中の痛みが「ただごとじゃない」

福田充徳

── その後、2011年に急性膵炎で入院。どのような状況だったのでしょうか?

 

福田さん:2011年にお正月休みがあって、この時期じゃないとなかなか連休がないんですよ。元旦の朝からずっと飲んで、寝て、夕方くらいに起きてまた飲んで、寝て、みたいなことを4、5日続けてたら、最後、次の日から仕事っていう前日に急にめちゃくちゃ背中が痛くなって。「ただごとじゃない!」と思ってマネージャーに救急病院を探してもらって急いで受診したら、急性膵炎と言われて即入院でした。

 

その後も10日くらい痛みが続いて、点滴で痛み止めも入れてもらえるんですけど、効いてるのか、効いてないのかわからない。薬が切れてやっと、「効いとったんや」ってわかる感じ。点滴も同時に4本くらい入れるんですよ。12時間の点滴が1本、8時間の点滴、6時間の点滴、2時間の点滴。入院してしばらくは絶食で水も飲めない。水を飲めたのは入院して1週間後、食事は10日後くらいやったかな。

 

結局、3週間くらい入院しました。前半は痛みがすごかったんですけど、後半は全然、痛みはなかったですね。点滴して寝てるだけなんで、早く退院して仕事したいなって思いながらようやく退院できた感じです。

 

── 退院したときは、またお酒が飲みたいと思いましたか?

 

福田さん:そのときはならなかったですね。お世話になった看護師さんとしゃべってるときに、「急性膵炎って退院したときに悪友みたいな人がきて、せっかくだから退院祝いやろうぜって言われて飲まされて、ワーってなってまた戻ってくる人が結構いる。そうならないでくださいね」って言われたんですよ。あと、さすがにこんなに仕事休んで大丈夫なのかなって思っていたし。退院後も自宅療養で1か月は家にいたんです。自分的には体調は問題ないから仕事に早く戻りたいって思っていたけど、お医者さんがまだ絶対ムリやって、許可がおりなくて。

 

── 仕事復帰は『笑っていいとも!!』だったそうですね。

 

福田さん:生放送が1時間あって、放送おわりに会場に来てるお客さんだけにアフタートークみたいなのが30分くらいあるんですけど、それ終わったときにギリギリ立っていられるくらい。体力めっちゃ落ちてたと思います。体重も15キロくらい減って、映像見たらげっそりしていて、自分でびっくりしましたね。

 

── 実際にお酒を口にしたのは、退院してどれくらい経ったときですか?

 

福田さん:2年ですね。仕事柄、打ち上げや飲み会に行くこともありますが、それまで飲まなかったです。退院後も定期的に検査に行っていて、退院から2年経過したときに、医者から「完全に膵臓が戻ってる。病気になる前の状態に戻った。ただあんまり飲んだらダメですよ」と。でも、戻ったと言われたので、番組の最終回の打ち上げか何かでちょっと一回飲んでみたら、すぐ酔いましたね。ビール1缶くらいですぐ。そこから、始めは月1回くらい飲んでいいことにしよう、週1くらいにしようとなり、最終的に毎晩、飲んでます(笑)。

 

ただ、これ以上飲んだらあかんとか、自制が効くようになったし、自分の状態を自覚することができるようになったと思っています。

 

PROFILE 福田充徳さん

ふくだ・みつのり。1975年生まれ。京都出身。幼稚園から幼馴染だった徳井義実と1998年チュートリアルを結成。2006年にM-1優勝。2016年に結婚し、現在は1児の父。

 

取材・文/松永怜 写真提供/福田充徳