アメリカ生活で得た「パフォーマンスが向上する食事」

大河内志保さん
プロアスリートを間近で支えることで、食への興味を深めていった

── 2000年に新庄さんと結婚し、メジャーリーグに挑戦するために渡米されました。アメリカ生活では、日本で得た料理の知識がどのように役立ちましたか?

 

大河内さん:当初、シーズン中に私をひとりにするのも心配だということもあり帰国する予定で、彼の生活スタイルを整え、私は帰国。彼ひとりでアメリカ生活を送りました。ただ、シーズンが始まってすぐに、彼が太ももを故障して。それを知ったとき「やはり異国で活躍するためには食事管理を徹底しなければ」と直感しました。日本の食材をスーツケースに詰め込んで、トレーナーとともにすぐにアメリカに渡ったんです。

 

以降は、トレーナーが体のケアを、私は栄養面の管理を行い、シーズンを乗りきることができました。当時を振り返ると、息が抜ける時間がまったくないほど忙しい毎日でしたが、栄養面においてしっかりサポートすることができたと感じています。

 

新庄さんの日々の食事は、日本食を中心にしたメニューで構成。生まれ育った土地のものを食べることが、最もパワーが出ると思い、遠征先にも炊飯器を抱えて同行しては、ホテルの洗面所でご飯を炊いておにぎりを作り、毎日欠かさず持たせていました。

 

また、これまでは「バランスのいい食事」を意識していましたが、アメリカに渡ってからは「食事の効能」を意識しはじめるように。分子栄養学の先生と契約し、「炎症を軽減させる食事」や「乳酸がたまりにくい食事」などのパフォーマンスを向上させるための食事を実践しはじめたのもこのころからです。このようにして、食事によって体の健康状態を整え、病気になる前の未病の段階で改善するという「食治」の学びを深めていきました。

大河内志保さん
大河内志保さん

 

PROFILE 大河内志保さん

おおこうち・しほ。モデル、タレント、料理家。1971年、東京都生まれ。1990年にJALのキャンペーンガールに選ばれてモデルデビュー。1992年にはクラリオンガールに選出され注目を集めるが、プロ野球選手の新庄剛志さんとの交際を機に芸能界を引退。2000年に結婚、2007年に離婚。以降は、芸能活動に復帰し、発酵食への学びを深め、料理家としても活動の幅を広げている。保有資格:調理師免許、日本伝統発酵料理伝承師。

取材・文/佐藤有香 写真提供/大河内志保