「認知症は怖いものではない」自然な現象として向き合う
── たしかに知識の差で、受け止め方がまったく異なると思います。
ハリーさん:10代、20代のうちから、フランクに認知症や介護について話し合える場があればよかったと感じます。いざその局面に立ったとき、動揺はしても心の準備ができていたと思うんです。現在、福岡市の小学生たちは、学校で認知症に関する知識を得る機会があるそうです。これは非常にいい取り組みだと感じます。
もちろん、重く受け止めすぎる必要はありません。伝えたいのは「認知症は怖いものではない」ということ。誰でも認知症と向き合うようになる可能性がある、ごく自然なことです。だからこそ、なおさら正しい知識が大切だと伝えたいです。もし、介護で苦しいと思う人がいたら、SOSを出していいことを知ってもらいたいし、講演会の質疑応答などでも具体的な相談があったときは、どうしたらいいか一緒に考えています。
PROFILE ハリー杉山さん
はりー・すぎやま。タレント。2008年スペースシャワーTVのMCとして芸能活動をスタート。 日本語、英語、中国語、フランス語の4か国語を操る卓越した語学力を持ち、 2011年よりJ-WAVEのナビゲーター、2012年よりCX「ノンストップ!」等、司会、リポーター、モデル、俳優などマルチに活躍中。2012年にイギリス人ジャーナリストの父がパーキンソン病、認知症と診断された。
取材・文/齋田多恵 写真提供/ハリー杉山