長い夏休み、子どもが家にいる時間が増え、気づけば怒ってばかりだった…という親御さんも多いのでは。疲れ果てたこの夏の「育児漂流生活」をグッドスリープさ(@goodsleep7416)が漫画に綴ってSNSで投稿したところ、「泣いた」「めちゃくちゃ共感」と多くの反響がありました。

怒られてばかりの娘が持つ「優しさライセンス」

日々の育児に疲れ果てたグッドスリープさん。特に小学2年生の三女・ぴかるちゃんにはここ最近、声を荒げない日はなかったと言います。自己嫌悪に陥り精神的にまいってしまったので、三女の「いいところ」だけをあえて書き出してみることに。

 

たとえばある日、グッドスリープさんがお風呂からあがると「お父さんのうれしいこと…考えてみた」と、ぴかるちゃんがバスタオルを用意してくれていました。その気づかいと優しさがうれしくて、抱きしめてお礼を伝えると、その日から必ずバスタオルを用意してくれるようになったそう。

 

また別の日。終わった後に片づけないことを理由にダメだと言われていた工作を「どうしてもやりたい!」と泣きわめくぴかるちゃん。作ったのは、その日が誕生日だった弟・ぼーるくん(5歳)への誕生日プレゼントでした。

 

ほかにもひいおばあちゃんの体調を気づかったり、寝ている父親に毛布を掛けてくれたりする優しいぴかるちゃん。その様子を思い出しながら、グッドスリープさんは娘を「優しさライセンス保持者」と表現。叱られて泣きながら眠りにつく娘の顔を見つめながら「本当は褒めて褒めて褒めまくりたい」と思うのでした。

怒りたくないのに…親たちが抱える苦悩

子どもを愛おしく思う気持ちと、叱りすぎてしまうことへの葛藤が描かれたこの漫画には「わかりすぎて泣けた」「うちのことかと思った」など共感するコメントが寄せられました。褒めたいのに、怒りたくないのに、どうしていいやら…というお母さんは少なくありません。

 

「怒りたくはないんですよね…。けれど、このまま育ってほしくないと思う部分は叱っています。三女のことでいうと、人のものを勝手に使う、片づけをしないなどで注意することが多いです。親のものや姉たちのものを出してしまうことがあって。ご家庭によって考え方は違うので、そのぐらいなら、という意見もあると思います。でも、やめて欲しいと伝えたことができない、ルールを守れない子に育ってほしくないという思いがあります。本当に家が汚いんですよ(笑)」

 

家族内でもお互いの気持ちを考え、ルールを守ることの大切さを教えているグッドスリープさん。しかしその反面、伝え方や叱り方が合っているのか、正解のない育児に悩んでもいるそうです。

 

「叱り方はバリエーションが少ないので、娘たちも言われ慣れてきてしまっています(笑)。それでも、三女がストレスを感じていないか心配になってしまうことは多いです。姉たちも僕と同じように三女には注意していることが多いので」

こちらも「チャンスをもらっている」

家族から注意を受けることが多い三女のぴかるちゃんですが、「本当に優しい子なんです」とグッドスリープさん。

 

「漫画に描いたバスタオルを用意してくれる話は、本当にうれしくて抱きしめちゃいました。それ以来、一緒にお風呂に入ってケンカみたいになった直後でもタオル出しておいてくれます。今は、叱った後でも距離をとらずに僕のところに来てくれるし、翌朝には笑顔を向けてくれるので、救われているというか…チャンスをもらっているなと感じます。長女(中学1年)と次女(小学5年)だったらこうはいかないので。

 

チャンスをもらえている今だからこそ、こちらも伝え方や叱り方を変えたり、怒るではない方法があるのでがないかと考えています。それに娘ののよいところを、もっと言葉にして伝えていかないといけないと思っています」

 

と、わかってはいても、そううまくいかないんですよね。と話してくれました。イライラする気持ちも、褒めたい気持ちも上手に伝えていけたらいいのですが、なかなか難しいですね。

 

PROFILE グッドスリープさん

4人の子どもを育てながら汗水を流すアラフォーサラリーマン。独特のツッコミや視点で描く育児漫画や会社でのふとした出来事を綴った作品が人気を集め、インスタグラムのフォロワーは8万人を超える。褒められることには慣れていなく、脱良い父親のイメージに奮闘中。漫画「今夜はぐっすり眠りたい。一男三女限界サラリーマンの爆笑奮闘記」がCHANTO WEBで好評連載中!

 

文/村上順子 イラスト提供/グッドスリープ