CASE3:写真や動画を勝手にSNSなどに投稿したら

子どもの友達とのやりとりイメージイラスト

タブレットなどで写真や動画を撮影することは楽しみのひとつですが、軽い気持ちで撮影するとトラブルに発展することもあります。基本的に個人で楽しむ場合はほとんど問題ありませんが、SNS投稿など、たくさんの人の目にさらす行為は、相手が友だちであっても、必ず本人にことわるか、個人が特定できないような処理をする必要があります。人ではなく、お店で売られている商品などを撮影する場合も、まずはお店の人に撮影していいかどうか、投稿していいかどうかを聞きましょう。「撮影禁止」とされていた場合は、撮影してはいけません。

着替えているところを撮影した場合

たとえわいせつ目的ではなく、ふざけていたとしても「性的姿態等撮影罪」になる可能性があります。ただ13歳未満では刑罰を受けることはありませんが、児童相談所などの指導を受けることもあります。

歩いている人を撮影した場合

その人がだれか特定できるものを無断でSNSなどに投稿して見知らぬ人にさらす行為は、悪用される可能性もあり、「肖像権の侵害」にあたります。ただ撮影するだけでも、必ず撮影をしてもいいかどうか本人に許可をとりましょう。

CASE4:イタズラのつもりが犯罪に!?

ピンポンダッシュのイメージイラスト

イタズラ心で公共のものを傷つけてしまったり、ふざけて人に迷惑をかけてしまったりしたときなどは、なんらかの処置を受けることがあります。ただし、14歳未満の場合は「刑事未成年」といって、法律上、逮捕されることや処罰を受けることはありません。そうかといって、何もおとがめがないわけではありません。被害の大きさ、罪の重さによって、児童相談所に通告や送致され、家庭裁判所の審判を受け、児童自立支援施設などに入所させたりする可能性はあります。おもしろ半分にイタズラをするのは絶対にやめましょう。

線路に置き石をした場合

たとえば線路に置き石をした場合、14歳以上の子どもなら、「往来危険罪」という犯罪になります。13歳以下でも児童相談所に送致されるなど、なんらかの処置を受ける可能性せいがあります。

車にわざと傷をつけた場合

罪になるのは、わざと傷つけた場合です。車への落書きも同じです。「器物損壊罪」として、20歳以上なら3年以下の懲役または30万円以下の罰金などになります。20歳未満であれば少年法で処遇されるなどのほか、保護者もふくめて被害の弁しょうを求められることもあります。

インターホンを押して逃げた場合

条例で違反を定めている市町村の場合は「迷惑防止条例違反」になります。こちらも14歳未満の場合、逮捕はされませんが、なんらかの処置をされる可能性があります。

 

PROFILE 菊地幸夫さん

きくち・ゆきお。1957年生まれ。中央大学法学部卒業。弁護士。元最高裁判所司法研修所刑事弁護教官。現在は東京・千代田区にある番町法律事務所に勤める。全国の学校、企業、団体、自治体などでの講演活動のほか、『行列のできる相談所』(日本テレビ)や『ゴゴスマ~GO GO!Smile!~』(CBCテレビ)など、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍する。バレーボールやトライアスロン、ギター演奏など多様な趣味をもつ。『マンガでわかる! 小学生から知っておきたいお金のトラブル回避術』(主婦と生活社)では監修を担当。

 

取材・文/樋口由夏 イラスト・漫画/ぽぽこ