山頂に行くことにとらわれない登り方

北アルプスにて
北アルプスにて

── 今後の目標を教えてください。

 

かほさん:将来的にはエベレスト、ビンソンマシフ、エルブルース、デナリに登って、セブンサミッツを達成したいですね。セブンミサミッツの達成は、生涯をかけてできたらいいと思います。

 

山を登るときに意識していることは、どんなときも「登頂できずとも下山する」選択肢を残しておくこと。そのために「いつまでに登るぞ」という期限は設けないようにしています。期限を決めてしまうと天候が悪いとき、体調が悪いときなどトラブルが起きたときに勇気を持って撤退する、登らないで見送る決断ができなくなってしまうので。

 

あとは行きたい山はたくさんあるので、1日でも長く、ひとつでも多く登るために、常に「健康な状態で登山をする」ことも大切にしています。

 

── 「日本百名山」達成はどうですか?

 

かほさん:これまでに半分くらい登ったかな。もちろんたくさん登りたいですが、日本百名山は作家の深田久弥さんが決めた日本の名山100です。この百名山を追うのもいいのですが、いつか自分なりの百名山を見つけられたらいいなと思います。

 

── 夏山や秋にかけては紅葉を楽しみに、登山をする人も増えそうですね。

 

かほさん:登山って絶対に山頂に行かなきゃと思いがちですが、山頂に行くだけが登山ではないと思うんです。道中に自分のゴールを決めて、そこに行ってご飯を食べたり、写真を撮るだけでもOK!みなさんもピークだけにとらわれずに、ぜひ登山を楽しんでください。

 

ヨーロッパアルプスのマッターホルン
ヨーロッパアルプスのマッターホルン

 

PROFILE かほさん

岐阜県出身。登録者数30万人を超える「かほの登山日記」を運営する登山YouTuber。国内の山はもちろん、現在は世界7大陸の最も高い山を目指す、セブンサミッツにも挑戦中。著書『山登りを趣味にする ソロ登山ステップアップ』(マイナビ出版)を発売。

取材・文/酒井明子 写真提供/かほ