YouTubeチャンネル「かほの登山日記」で山の魅力を発信し、チャンネル登録者数30万人を超えるかほさん。世界7大陸の最も高い山を目指すセブンサミッツに挑んでいます。(全2回中の2回)

登山中にクマと遭遇するピンチも!

キリマンジャロ山頂にて
キリマンジャロ山頂にて

── これまでに国内外問わずたくさんの山を登っていますが、かほさんにとって登山の楽しさなんですか?

 

かほさん:天気、季節、ルート、いっしょに登る人によって、同じ山でもまったく姿が変わります。なので、登山をしていても、私は飽きることが全然ないんです。

 

最近では海外の難易度の高い山も登っていますが、そういう山にしか登らないというわけではありません。たとえば低山トレッキングであれば体力に余裕があるので、花を見たり、写真を撮ったりと登ること以外も楽しめるのが魅力。酸素の薄い海外の高山では道中を楽しむ余裕はないけれど、登れたときの達成感は格別です。

 

登山とひと言で言っても、いろいろな楽しみ方があり、それがいいなと思っています。

 

── 日本で印象深い山はありますか?

 

かほさん:最初に登った八ヶ岳は登山の魅力にハマるきっかけになったこともあり、やはり印象に残っています。冬でも開いている山小屋があるので、今でも雪山のトレーニングによく行きます。あとは富士山もどこから見ても美しい山ですよね。私は4回ほどしか登ったことがないのですが、海外遠征の前に雪山トレーニングの一環で登るなどにしています。

 

── 富士山といえばこれから登山のシーズンです。高山病にかかる人が多いですが、対策はありますか?

 

かほさん:富士山の山頂は酸素量も平地の3分の2程度、気圧も下がるし、登るのが本当に大変な山だと思います。事前にできる対策としては、やっぱり日頃から登山をしたり歩いたり、体力をつけておくことです。当日や前日にできることとしては、まずは十分な睡眠時間をとること。あとは息が上がらない程度のゆっくりしたペースで登る。早く登って急激に標高を上げてしまうと、標高差で高山病にかかりやすくなります。水分もこまめにとって、体の中で水を循環させるようにしましょう。

 

── 日本の山で危険な目にあったことはありますか?

 

かほさん:一度、小グマに遭遇したことがあります。熊鈴をつけていたのですが、突然、目の前に小グマが現れて…。小グマって大人のクマより危険なんです。親グマが小グマを守ろうとして人間を襲ってくる可能性があるので。すぐに子グマがこちらに気がついて笹やぶに戻って遠くに行ってくれましたが、あのときは焦りましたね。

世界中の登山家の憧れ「セブンサミッツ」に挑戦中

悔いの残る南米のアコンカグア
悔いの残る南米のアコンカグア

── 現在は世界7大陸の最も高い山を目指す「セブンサミッツ」にも挑戦されていますね。きっかけを教えてください。

 

かほさん:YouTuberになる前に登山家の南谷真鈴さんが、20歳でセブンサミッツを達成したニュースを見たことがきっかけです。20歳の若さでそのような偉業を成し遂げたことに衝撃を受け、海外で山に登るなんてとてもカッコいいと思ったんです。

 

それで私も海外の山に挑戦したいと思うようになりました。最初に登ったのがオーストラリアのコジオスコでした。これまでにアフリカのキリマンジャロ、南米のアコンカグアにも登りました。

 

── 特に印象に残っている海外の山はありますか?

 

かほさん:南米のアコンカグアでしょうか。標高6961mの山を2〜3週間かけて登ったのですが、酸素が薄いため疲れるし、眠ることがなかなかできないんです。最後の山頂アタックでは体が動かなくなってしまい、もうムリだと思ったのですが…。ガイドさんに「行ける!行こう!」と励ましてもらい、なんとか登らせてもらったという感じでした。自分に負けたという気持ちがあり、悔しさが残っています。

 

── 海外の山の魅力はなんですか?

 

かほさん:山自体が楽しいですが、行く先々でその国の文化に触れられるのも魅力です。南米やアフリカなどなかなか行くことができない場所で、その国の人たちと交流できたのはいい思い出になっています。

 

海外登山の魅力は、日本とは異なる自然の形を感じられること。ヨーロッパアルプスには4000mを超える山々、ヒマラヤには5000~8000m超えの山々がたくさんあって、スケールの違いに圧倒されますね。