2024年4月に亡くなった桂由美さんの個人マネージャーをしていた山本由美子さん。4月に収録した『徹子の部屋』収録直後の食事の様子や最後に交わした言葉を教えてくれました。(全4回中の3回)

『徹子の部屋』の収録後に見た景色

事務仕事中

 

── 2024年の4月26日に94歳で亡くなられた桂由美さんとは、生前親交が深かったと聞いています。

 

山本さん:本人からの依頼により桂由美の個人マネージャーとして、主にマスメディアのキャスティングやイベントのサポートなど、対外的な仕事のマネジメントを担当していました。もう16年のつき合いになりますね。

 

知り合ったきっかけは、2008年に夫(元TBSアナウンサーの山本文郎さん)と結婚した時に、彼と知り合いだった桂さんから、「私のウェディングイベントに2人で出ない?」と声をかけていただいたことでした。そこからおつき合いが始まり、2014年に夫が亡くなった時には、「何か一緒にお仕事ができたらいいわね」と言ってくださって。長年、公私に渡って本当によくしていただきました。

 

── 亡くなる4日前も、一緒にいらしたそうですね。

 

山本さん:その日は『徹子の部屋』の収録日だったんです。何度も出演している番組ですが、「これまでで一番うまくしゃべれたわ」と終始ご機嫌でした。たしかにその日は、いつもよりも声にハリがあって滑舌もよく、トークも絶好調。収録後は、徹子さんにその日着用していただいた衣装を差しあげて、しばしのおしゃべりを楽しみ、“100歳の時にまた出演させてね”なんて言いながら、スタジオを後にしたんです。帰りのタクシーのなかでも、「東京タワー、綺麗ねえ」「あ、鯉のぼり!」と景色を見ながら楽しそうにしていました。

 

夜は、先生と私、私の息子の3人で、大好物のすき焼きを食べに行ったのですが、「おいしい!おいしい!」と言って1人前をペロリとたいらげ、最後に卵までグイッと飲み干して。“こんなに食べられるのだから、まだまだ大丈夫ね”と思っていたんです。焼酎のお湯割りを「これを飲むと、ぐっすり眠れるの」と言って美味しそうに飲みながら、息子に、「私、この年齢にしては、肌がすごくきれいだと言われるのよ。お肌のCM出られないかしら?」なんてお茶目に言ってみたり。

 

「また3人でここに来ようね」と約束したのに、まさかそれが最後の晩餐になるなんて思いもしませんでした。

 

── すごく元気でいらしたのですね。

 

山本さん:もちろん高齢でしたから、体調がすぐれない日もありましたが、特に健康状態に問題はありませんでしたし、出張にも出かけて、すごくパワフルだったんです。94歳という年齢でしたが、本人もまだまだやりたいことがたくさんあると言っていて、私の息子に「じゃあ次は、お肌の対談をよろしく!」と言っていました。

 

心もすごく若くて軽やか。「女性に年齢なんて聞くものじゃないわよ」とよく言っていて、実は94歳になるまで年齢非公開だったんです。ただ、トーク番組で、戦時中や空襲の時の体験談をいろいろと話すので、「それだと年齢わかっちゃいますよ?隠す意味ありますか?」と伝えるのですが、本人は、「それはいいの!」と(笑)。肩をすくめるようなジェスチャーをするので、思わずクスっと笑っちゃうんです。