高橋英樹の娘に生まれて
── 真麻さんは、自分のネガティブな部分をオープンに話されることが多いですよね。それはなぜでしょう?
高橋さん:そもそも高橋英樹の娘に生まれ、みんなから「いいな、何不自由なく育ったんでしょう?怒られたことないんじゃないの?」とすごく言われてきたんです。でも、皆さんが思うよりも2世はいろいろと大変で、幼少期から好奇の目に晒され、あらぬことを言われます。しかも、うちの両親は厳しかったので、よく怒られてきました。
だから、みんなから「いいないいな」と羨ましがられるたびに、「いやいやいや、そんないいことなんてないよ?むしろ、こんな大変なことやつらいこともあるんだよ?」と、自分からネガティブなところを明かしていくスタイルになったんだと思います。
── いろいろと勝手な詮索をされるくらいなら、自分からオープンにしてしまったほうがいいと。
高橋さん:そのほうがラクですね。人から羨ましがられて、いいことなんて何ひとつないと思っています。世の中って、妬みから足をすくわれたり、自分の知らないところで勝手に嫌われたり、人間関係が悪くなったりすることが往々にしてあるから。わざわざマウンティングをして、人様に妬まれにいく感覚がわからないと思っちゃいますね。だから私は、基本的に、ブログとかでも誤解を生むようなことはいっさい書かないようにしているんです。
── 確かに、真麻さんのブログは、食べ物のことが多いですね。
高橋さん:いろいろと考えだすと面倒なので、自分が食べたものが一番ラクです(笑)。だから、私のブログは、「食べ物、食べ物、食べ物、ときどき『英樹』」という感じですね。
── 箸休め感覚で、英樹さんを挟むんですね(笑)。
高橋さん:たまに子どもの写真を載せるくらいですかね。
── 本音であけっぴろげなトークが魅力ですが、あまり好感度に振り回されたりはしないタイプですか?
高橋さん:もちろん嫌われたくない気持ちもありますけれど、嘘がつけないだけです。いったん嘘をつくと、誰に何の嘘をついたか、わかんなくなっちゃうじゃないですか(笑)。それこそ自分のついた嘘に飲み込まれてしまうと大変ですし、嘘が嘘をよんで雪だるま式に膨れ上がって、本当の自分じゃなくなっちゃうから、私は「嘘はつかない」と決めているんです。せいぜい余計なことを言わないようにしようというくらいですが、いつも言っちゃってますね(笑)。
PROFILE 高橋真麻さん
1981年、東京都出身。2004年、フジテレビにアナウンサーとして入社。13年、フジテレビを退社し、フリーアナウンサーに転身。以降、バラエティ番組や報道番組などで活躍中。18年に結婚し、20年に、第1子女児を出産。22年に、第2子男児を出産。
取材・文/西尾英子 写真提供/高橋真麻