子どもが生まれた後、夫への愛情は

高橋真麻

── “重い”と言われて、態度を変えてみたりするのですか?

 

高橋さん:3日間くらいはラブを抑えて、クールに振る舞ってみるのですが、4日目くらいで「ダメだ、もう無理!」と我慢できなくなっちゃう。夫も、私がそうなるのをわかっているから、「はいはい、どうせ頑張ってんでしょ?」みたいな感じです(笑)。

 

これまでずっと「推しは夫です」と言い続けてきたのですが、あまりにも塩対応だし、「重い」とまで言われちゃったので。溢れ出る愛情を分散させようと思って、夫以外の「推し」を探そうと、めちめちゃ頑張ったんです。いろんなアイドルのDVDを見たり、周りにお勧めを聞きまわったり。1年ぐらい必死で探したのですが、結局ダメでしたね。どこの誰を見ても、「やっぱりうちの旦那の方がいいわ」ってなるんですよ。

 

── 素敵と言えば素敵ですが、ちょっと怖くなってきました…(笑)。

 

高橋さん:だから今、夫以外に何か関心を向けようと、趣味を探していて、会う人ごとに「趣味はなんですか?」と聞きまくっています。誰かいい趣味があれば、教えてください(笑)。

 

── 真麻さんの愛情が、だいぶ重めですが(笑)、夫婦ケンカはされますか?

 

高橋さん:だいたい、夫が冷たいことに対して、私が不満をぶつけるケースが多いですね。あとは、予定の共有をしてくれないときは結構、怒ります。彼が仕事でいなかった日に、後日、違う人のFacebookで夫が楽しそうにしている姿を発見したときは、ちょっとキレちゃいますね。

 

あと、これはケンカというほどのことではないのですが、うちの夫は、それほど食に興味がなくて、どんなに手の込んだものを作っても、基本、卵かけご飯か、ふりかけの“ゆかり”があれば満足なんです。だから、どんなに頑張っても、ゆかりご飯に負けてしまう。最初はそれが不満だったのですが、最近、私もゆかりの美味しさに目覚めて、なんなら、夫よりも早くゆかりを手に取るようになりました。染まりやすいんです、私(笑)。

 

── 子どもが生まれると、夫に関心を無くしがちな人が多いと聞きます。そういうのはまったくなかった感じですか?

 

高橋さん:実は、子どもが生まれるまで、それまで夫にすべて向かっていた愛情が、子どもに向くだろうから、夫への関心が薄れるのかなと思っていたんです。自分の愛情がMAX100だとしたら、子どもに80とか85くらいの愛情がいって、夫は20くらいになるんじゃないかと思っていたんです。

 

ところが、いざ子どもが生まれたら、愛情のMAX100が200に増えたんです。2人目が生まれたら、今度は300へと容量が増えただけ。だから、夫に対する愛情の量はまったく変わらないし、恋愛的な感情も昔と変わらずあります。なんなんでしょうね、この溢れ出る愛情は。売れるものなら、ペットボトルに入れて売りたいよって言うぐらい(笑)。

 

── そこまでパートナーに愛されるとは、幸せですね。

 

高橋さん:私としては「大好きだよ。愛してるよ」とハグしてくれるのが理想なのですが、あんまりそんな人、いないんでしょうか。(父の高橋)英樹さんがそういうタイプでしたから…。

 

── ロールモデルが素晴らしすぎて、ハードルが上がりすぎているのかも。

 

高橋さん:たしかに、そうかもしれません(笑)。

 

PROFILE 高橋真麻さん

1981年、東京都出身。2004年、フジテレビにアナウンサーとして入社。13年、フジテレビを退社し、フリーアナウンサーに転身。以降、バラエティ番組や報道番組などで活躍中。18年に結婚し、20年に、第1子女児を出産。22年に、第2子男児を出産。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/高橋真麻