「100万円あったら何に使おうかな?」。売れない時代にそんな想像をしていた小野真弓さんは、アコムのCM出演で人気に火がつき、一時の月収は700万円に!高収入を得て好きな物を買いまくり贅沢三昧。その結果、残ったものは「無感動という怖さ」だったと言います。(全4回中の3回)

CM出演で「どこの支店にいる?」と問い合わせ殺到

犬のシャンプーをする小野真弓さん
トリマーの資格をもつ小野さん

── 小野さんといえば「はじめてのアコム」のCMが印象的でした。どういったきっかけで出演することになったのでしょうか?

 

小野さん:当時はなかなか仕事が軌道にのらず、たくさんのオーディションを受けていました。アコムのCMもオーディションを受けて合格したんです。なんで私に決まったのか理由を聞いてみると、「庶民的で、すぐそばにいそうな親近感のある感じがよかった」と言われました。CMが放送されてからは「どこの支店に勤めているんですか?」とか、「どこに行ったら会えますか?」といった問い合わせが会社に寄せられたようです。

 

── 当時は「癒やし系」と言われていましたが、実際のご自分とギャップはありましたか?

 

小野さん:ギャップやとまどいを感じるほど自分のことを理解していませんでした。「そうか、私って癒やし系なんだ」と、イメージにのっかった部分があります(笑)。ファンの方たちのイメージを崩さないようにしていました。20代後半ころから俳優としても活動の幅を広げたくて、少しずつ別の面を出そうと考えるようになった気がします。

アルバイト生活からブレイク後は月収700万円超え!

── アコムのCMでブレイク後したあとの人気はすごかったですね。

 

小野さん:いろんなところから声をかけていただいて、すごくありがたかったです。一時期は月収700万円くらいあったことがあります。ずっとアルバイトをしながらオーディションを受ける生活をしていた私にとって、信じられないくらいの大金でした。

 

それまでは「もし100万円を自由に使えるとしたら何を買おうかな」なんて、あれこれ想像しては楽しんでいたんです。それが「700万円もあったら全部実現する!100万円使っても600万円も残る。じゃあ、想像していたことを全部実行しよう!」と、暴走してしまったんです。いま振り返れば、当時はちょっと金銭感覚がおかしくなっていた気がします。

 

現在の小野真弓さん
現在の小野真弓さん

── その状況になったら、そう考えるのも当然だと思います。たとえば、どんなことをされたのでしょうか?

 

小野さん:ちょっとした距離でもタクシーで移動したり、ハイブランドのお店に行っては、素敵な店内で優雅なソファに座り「このバッグ可愛い。この色とこの色どっちにしようかな。選べないから両方ください」と言って買ってみたり。

 

── 想像もつかない生活です。でも、その暮らしをずっと続けるのも大変ですよね。

 

小野さん:1年くらい買い物ざんまいの日々を送っていたんです。でも、あるとき高級品を買っても、喜びも嬉しさも何も感じないときがありました。欲しかったものを手に入れたはずなのに、無感動な自分が怖かったです。税理士さんに領収書の山を見せたら驚かれて。「すごいお金の使い方をしていますね。タクシー代だけで高級車が買えますよ。もっと不動産など、資産になるものを購入したほうがいい」と、アドバイスされました。

 

それを聞いて納得したというか…。好きなだけ買い物して満足した部分もあると思うのですが、「100万円あったら何を買おう」とワクワクしていたときのほうが楽しかった気がしたんです。「お金ってなんとなく使っていると、あっという間になくなってしまう」と実感したし、資産として残るものにお金を使ったほうがいいなと考えるようになって。そこで、ローンを組んでマンションを購入しました。そこでようやく金銭感覚が元に戻ったように思います。