引退後はエゴサーチをするようになって
── SNS上のコメントを目にすることもありますか?
高橋さん:選手のころは、両親から「SNSを見ないほうがスケートのためになる」と言われていたので、何も見ていなかったんです。でも、引退後はめちゃくちゃエゴサーチをしています。
最初のころは何でも鵜呑みにしていて、ほめられると嬉しいけれど、「声が嫌だ」と書かれていると、声を直さなきゃと思ってボイストレーナーさんに「どうやったら声が低くなりますか?」と相談することもありました。「生理的に無理」と書かれていると、どうやって直すんだろうと思って「生理的 無理 解決法」とインターネットで検索したこともあります。
でも今は、何人もの人が言うことはだいたい自分でも課題だと感じていることが多いので、努力するべきものを見つけたなという形で捉えていますし、信頼しているマネージャーさんが優しくコメントをくれるので、あまり気にならなくなりました。
もちろんマイナスなコメントを見た瞬間は「うわー!最悪…」と落ち込むのですが、SNSの意見も全部を聞くわけではなくて、自分も変えるべきだと思うことをヒントとしてもらっているかなという感じです。

── インスタグラムでは、今夏出場予定の北海道マラソンに向けて、トレーニングをしている様子もアップされています。
高橋さん:最初は、マラソンなどの走る系の番組に出演したくて練習を始めました。でも、頑張っている人の周りに人って寄ってきてくれるじゃないですか?私もそのパターンで、どんどんランナーさんやランニングコーチが協力してくれるようになって、一緒に歩んでくれて。ランニングを始めたときはフルマラソンまでは目標にしていなかったのですが、皆さんのおかげで目指せる力がついてきたので、チャレンジしようと思いました。
── 今後の目標と、ほかにもチャレンジしてみたいお仕事があれば、教えてください。
高橋さん:今後は、選択する人生を歩みたいです。利害などで判断するのではなく、そのときにやりたいことを全力で取り組んでいきたいと思っています。将来はスポーツ庁の長官になって、体育の授業でもスポーツ自体の魅力を感じられるような形にしたいです。テレビで私を見たときに笑顔になれるような、勇気を与えられるような、何かのきっかけになるような存在にもなりたいです。
あとは、ニュース番組などで気象について伝えるお仕事もやってみたいので、つい最近、気象予報士アカデミーに入りました。これからもいろいろなことに挑戦し続けていきます。
PROFILE 高橋成美さん
1992年1月15日生まれ、千葉県出身。2012年世界選手権ペア銅メダリスト、2014年ソチオリンピック日本代表を経て、2018年3月に現役を引退した。以降は松竹芸能に所属し、コーチングや解説、バラエティ番組などで活躍する一方、2023年6月からはJOC評議員・JOCアスリート委員・日本オリンピアンズ協会の理事に就任。今年8月開催予定の「北海道マラソン2024」では、アンバサダーとしてフルマラソンにもチャレンジする。
取材・文/長田莉沙 写真提供/高橋成美