2019年、千葉県木更津市へ移住した小野真弓さん(43)。周囲からは「結婚か?」と聞かれ、自分自身は「仕事は大丈夫かな」と戸惑いも。アコムのCMで「癒し系」と言われた小野さんのとびきりの笑顔の奥には、芯の強さがありました。(全4回中の2回)

一軒家を買うと「結婚?」と言われ

── 2019年、小野さんは千葉県木更津市に一軒家を購入し、移住されたそうですね。どういった経緯があったのでしょうか?

 

小野さん:都内に住んでいましたが、犬を飼っているから、のびのび遊べる広い庭がある家に住みたいと思うようになりました。最初は湘南あたりで探したのですが、あまりピンと来なくて…。急に思い立って、木更津市を見に行ってみたら「ここだ!」と思えたんです。知り合いもいなかったし、それまで縁のない場所でしたが、のんびりした雰囲気が魅力的でした。

 

── 都内に住んでいた小野さんが木更津市に引っ越すとなり、周囲はどんな反応でしたか?

 

小野さん:そのとき30代後半だったから、「結婚するの?」とはよく言われました。実際はひとりで動物と一緒に暮らしているんですが…。もともと、そんなに結婚願望があるほうではなかったんです。まわりもみんな結婚しているから、「私もいずれは結婚するのかもしれないな」という程度には思っていました。そういうきっかけもないまま、いまに至ります。すべて自分の意思で決められて、自由で楽しいです。

 

引っ越したのは2019年ですが、コロナ禍になってからは「時代を先取りしたね」と、言われることが多くなりました。

 

── たしかにコロナ禍のころは、都心から地方に移住する人もいたように思います。

 

小野さん:コロナが流行り出して「ステイホーム」と言われていたころは、本当に引っ越してよかったと思いました。外出して人とすれ違っても十分距離をとれるから、ソーシャルディスタンスを意識する必要もなかったし、早朝の誰もいない時間帯に公園へ散歩に行くときも気軽でした。