26歳と20歳、ふたりの息子たちの将来に思うこと

── ご兄弟の関係はどんな感じですか。

 

金子さん:兄弟は仲がいいですね。ふたりが小さい頃、公園で海人が小さい子に近づいたら「こわい!」と言われてしまったことがあるんです。海人はショックで泣いてしまって。それを見ていた律心はそのときは我慢していたんですが、家に帰ってきたときに「カイちゃんがかわいそうだった」と泣いていました。リオの高校の卒業式では、海人のほうが感動して泣いていました。

 

次男・律心さんの高校卒業式で(Instagramより)
次男・律心さんの高校の卒業式で(本人のInstagramより)

── すてきなご兄弟ですね。

 

金子さん:海人は26歳で、アスリートとしてはセカンドキャリアを考えないといけない時期です。最近は、水泳の練習も続けながら、「村井カイト」として演技の勉強も始めています。本人は演技をしているとは思っていないようで、「演技の勉強、どうだった?」と聞くと、「あれは演技じゃないよ」と言うんですけど(笑)。もしドラマや映画に出演する機会があれば、チャレンジしてほしいと思っています。

 

律心は大学2年生です。私が海人の朝練と夜連につき添っていたので、律心はずっとひとりで食事をしていたんですけど、将来のことを考える時期で、不安なこともあると思います。今まで海人にかかりきりになっていたぶん、一緒に考えられたらと思っています。

 

いつもパワフルでエネルギッシュな金子さん(Instagramより)
いつもパワフルでエネルギッシュな金子さん(本人のInstagramより)

── ご自身がこれからやりたいことはありますか。

 

金子さん:これまでは子どもたちを育てることで必死で、自分のことは「さておいて」しまっていました。まさか自分が、最低限のスキンケアをするだけで、ノーメイクで過ごすことになるとは思ってもいませんでした。これからは、仕事も含めて、自分の時間も大事にしていきたいですね。

 

夢や希望って、いくつになっても、障がいの有無に関係なく、生きる糧になると思っています。今は誰もが自由に発信することができる時代なので、いろいろな意見はあるかもしれませんが、これまでの経験を生かして、これからも誰かの希望につながることを発信していけたらと思っています。

 

PROFILE 金子エミさん

パーツモデル、美容家、事業家。コマーシャル100本以上、雑誌出演数100本以上をこなす。パーツモデルに求められる肌感や表現力を熟知した唯一無二の存在として独自のケア方法をテレビをはじめ多方面で披露。プライベートでは2人の息子の母。ダウン症の長男 カイト君の世界水泳挑戦と、これまでの子育てを描いたコミックエッセイ『世界は君のもの~美容家ママとダウン症カイトの世界水泳奮闘記~』(オレンジページ)ほか著書は7冊。

取材・文/林優子 画像提供/金子エミ