テレビ番組『行列のできる法律相談所』で、元K-1ファイターの卜部弘嵩さんから公開プロポーズを受けて結婚した高橋ユウさん。実はその半年前に別れの危機があったと明かしてくれました。(全4回中の3回)

初めてのハワイ旅行で重い空気に

美しすぎる!結婚式の記念フォト(c)ワタベウエディング
美しすぎる!結婚式の記念フォト(c)ワタベウエディング

── 2018年7月にテレビでの公開プロポーズが話題となり、同年9月にご結婚されました。現在はご夫婦で子育てに奮闘されている様子をSNSなどで拝見していますが、おふたりの仲の良さが伝わってきます。

 

高橋さん:ありがとうございます。実は今だから言えますが、プロポーズされる半年前に2人で初めて訪れたハワイで毎日喧嘩が絶えず、もうこのまま別れてしまうのかなということがあって。

 

── そうなんですか。ハワイでいったい何が…?

 

高橋さん:旅行中にお互いの価値観の違いでぶつかることが多々あったんです。たとえばハワイで雑貨屋さんに買い物に行ったとき、私が可愛い歯ブラシ立てを見つけて「これほしい」とレジに持っていったんです。するとヒロ君(卜部さん)は、「本当にこれほしいの?」と。確かにヒロ君は電動歯ブラシを使っていたので、その歯ブラシ立ては使えないんですね。

 

でも私が「11ドルだしいいじゃん。旅の思い出だし」と言うと、ヒロ君は「ユウちゃんは『11ドルだし』って言っちゃうんだ」と言い、その場の空気が悪くなって(笑)。私も引けずに「大事にするから」と言って、歯ブラシ立てを購入したんです。

 

結婚式は思い出のハワイで(c)ワタベウエディング
結婚式は思い出のハワイで(c)ワタベウエディング

── なんだかモヤモヤしてしまいそうですね。

 

高橋さん:ええ。そんなモヤモヤした気持ちを抱えながら宿に戻って、次にディナーに行くための準備をしていました。ヒロ君が私の誕生日のためにレストランを予約してくれたので、「ここでちゃんと仲直りしよう。ドレスアップして行こう」と思ってメイクをしていたら、急にヒロ君が焦り出して「早く行くよ」と。

 

「え、予約までまだ時間があるじゃん」と言いながらも、ヒロ君が急かすので、結局急いでメイクをして、レストランに向かったんです。「せっかくの夜なのに、なんでこんなに焦るの?もうイヤ。イライラしたくない」と思いながら予約の15分前にレストランに着いたんですね。そしたら、ちょうど花火が打ち上がって。

 

今だったら「私にサプライズで花火を見せたかったんだ!」と思えるんですけど(笑)、そのときは初めての2人の旅行で、彼の前で綺麗にドレスアップして楽しみたいという期待が膨らんでいたぶん、悲しくなってしまって。結局、食事をしている間もお互いに口を開かず、私はその重い空気に耐えきれなくて、食べながら泣いてしまったんです。

ハプニングから生まれた強い思い

ハワイ旅行では二人の間に暗雲が立ち込めて…
ハワイ旅行では二人の間に暗雲が立ち込めて…

──「こんなはずじゃなかった…」と。

 

高橋さん:そうですね。お互いに「ごめんね」「こう思っていたんだよ」と言えたらよかったんですけど、それができなかった。そして、宿に帰る道すがら、ヒロ君が「ユウちゃん、日本に帰ったらもう別れる?」と切り出したんですね。

 

私は「え、今、別れるって言った?」と驚いて。「ヒロ君が別れたいんならもういいよ、今からでも別れよう」と勢いで口にしてしまったんです。けれど、ひとりで海風にあたりながら、このままだと本当に別れてしまうかもしれない、それは嫌だと思って。私、やっぱり彼のことがすごく好きだったんです。だから、彼に「お互いに思っていることを話し合おう」と伝えました。

 

そこでなんとか仲直りはできたものの、翌日になってもまだ心がすっきり晴れないまま、帰国の途につくために空港に行ったんですね。「今回の旅行は残念だったけど、日本でちゃんと仲直りできればいいな」と思いながら。

 

そしたらですよ。なんと、空港のカウンターのスタッフの方に「卜部さん、帰国日が間違ってますよ。フライトは明日ですよ」と言われて。ホテルはすでにチェックアウトしていたんですが、とにかくもう1日ハワイに残れることがわかったんです。まだ一緒にいられる、もう1回やり直せると。

 

── それは嬉しいハプニング。

 

高橋さん:ええ。その後、宿探しは大変でしたが、その1日が一番楽しかった(笑)。帰国する日の朝、すっかり気持ちも満たされてビーチに三角座りをしながらふたりで海を眺めていたんです。海を眺めながら、「ああ、この人と一生一緒にいたい」「いつか結婚しよう」と強く思いました。そのときの光景や感じた気持ちはこの先もずっと忘れないと思いますね。

 

── そこから半年後に公開プロポーズに繫がるんですね。心温まる素敵なエピソードをありがとうございます。

 

番組での公開プロポーズも話題に
番組での公開プロポーズも話題に

変化は成長するためのチャンス

── その後、卜部さんは2022年にK-1を引退されて、現在は物流会社を起業し、人材派遣会社も設立されていますね。スポーツマンから起業家へ転身をされてユウさんの心境は?

 

高橋さん:見守りたいという想いですね。実は夫が起業する前に、夫の父から「ユウちゃん大丈夫?今ならまだ息子を引き止めることができるよ」と電話がありました。当時は長男が生まれていましたし、夫の父は私たちの生活を心配してのことだったと思います。

 

けれど、夫はK-1の現役時代から「引退した後は格闘技ではない世界に挑戦してみたい」とずっと言っていて、実際に起業に向けて準備をしている姿を見ていました。だから「この人なら新たな世界でも大丈夫だ」と不安な気持ちになることはありませんでしたね。

 

── とはいえ、これまでの生活から大きく変わることに対して、「これからどうなるかな?」と心配になる気持ちはありませんか?

 

高橋さん:それがないんですよ。幼少期に父の事業が破綻して実家が貧乏になった経験があるので、どんなに大変な状況でも「家族がひとつであれば何があっても楽しくできる」という原体験が支えになっていると感じますね。

 

そして変化していくこと自体チャンスだと私は思っています。たとえ環境が変わっても、そこで新たな経験ができれば、今までの考え方や価値観、人間関係などに変化が起きて、それを通じてレベルアップできるんじゃないかなって。これは子どもたちにとっても同じ。変化によって人として成長していけることが楽しみだなと思うんです。

 

だから、あまり先のことばかりを考えて不安になるよりも、「何かあればそのときは、そのとき」と考えるようにしています。

 

── なるほど。ちなみに今は卜部さんのお仕事をユウさんがサポートされることはあるんですか?

 

高橋さん:基本的に私が夫の仕事に介入することはないですね。それは現役の選手だった頃から変わらないです。試合でも仕事でも夫が外で戦って帰ってきたときにホッとできる場所をつくれたらいいなといつも心がけていますね。

 

だから、夫の仕事のことが気になってもすぐに聞かないんですよ。外から「疲れた」と夫が帰ってきたときに、「とりあえず先にご飯でも食べようか」と言って子どもたちとご飯を食べたり、お風呂に入ったりして。そうした時間を過ごして夜に子どもたちが寝たあとに「で、今日はどうだった?」と聞くことが多いですね。

 

いつまでもお幸せに…!(c)ワタベウエディング
いつまでもお幸せに…!(c)ワタベウエディング

 

PROFILE 高橋ユウさん

1991年1月19日生まれ 滋賀県出身。モデル・タレント。『Cawaii!』の専属モデルを経て、テレビドラマ『仮面ライダーキバ』、ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』シリーズなどで女優としても活躍。2018 年にK-1元世界王者のト部弘嵩選手と結婚し、現在は二児の母として子育てと仕事を両立している。 バラエティー番組等に多数出演するほか、コメンテーターや YouTubeでも活躍中。

写真提供/高橋ユウ