無痛分娩を希望していましたが
── その後に再びお子さんを授かりましたが、妊娠発表や妊娠期の過ごし方などはいかがでしたか。
平野さん:大変ありがたいことに、術後の回復も順調で、私は自然妊娠でまた授かることができました。でも流産の経験があったので何かあったらどうしようという思いがあり、週に1回レギュラーで出演させていただいている『グッド!モーニング』での発表直前までは、本当に信頼できる方にしかお話ししていませんでした。
ただつわりがひどくて。生放送の前夜はもし放送中に吐き気が来たらどうしようと思うとなかなか寝つけず。放送中も見えない場所にタオルやゴミ袋を忍ばせていて、気が気ではなかったです。
もちろん、つわりがひどくて入院する方もいるそうなので私のツラさはまだまだなのかもしれませんが、出産後のサポートを必要としている人の声も大きいいっぽうでつわりがひどい人など、出産までのサポートやフォローも必要なんじゃないかなと経験から感じています。
── そして2022年末に第一子が無事に誕生しました。出産はなかなか大変だったとSNSで明かしていましたね。
平野さん:無痛分娩を選択し計画出産だったのですが、予定日になっても子宮口がな かなか開いてくれず。前日には子宮口を広げるバルーンも入れ、当日は陣痛促進剤を 打ちましたがうまく進みませんでした。その後、私が発熱しておなかの赤ちゃんも心拍数があがってしまい、帝王切開に切り替えるかどうかというところまで。最終的には先生の判断で一晩待ち、翌朝早朝から頑張ることにしましたが、2日目には無痛分娩の麻酔の効果もあまり感じられず「無痛じゃなかったらどうなってたの?」と思うぐらい痛かったです。
でも、妊娠中のつわりで体重があまり増えなかったのに、赤ちゃんは健康に生まれて来てくれて。育つ力はすごいですよね。無事に健康で産まれてきてくれることは奇跡に近いことで有難いことなんだなという気持ちでいっぱいになりましたね。
PROFILE 平野早矢香さん
1985年生まれ。栃木県鹿沼市出身。5歳で卓球を始め、仙台育英学園秀光中学校・仙台育英学園高等学校に進学。卒業後ミキハウスに入社、オリンピックでは2008年北京にて、団体戦4位。2012年、ロンドンでは福原愛、石川佳純両選手とともに団体戦で銀メダルを獲得。男女通じて日本卓球史上初の五輪メダリストとなった。現在は後進の指導に務めるほか、全国各地にて、講習会、講演会、解説、スポーツキャスターとして広く活動。
取材・文/平岡真汐 写真提供/平野早矢香