早稲田大学教育学部国語国文学科に入学してまもなくお笑いの世界に没頭した、お笑い芸人の小島よしおさん。大学ではお笑いにのめり込むあまり2回の留年を経験し、一時は中退を考えていました。(全5回中の2回)

みんなを驚かせたい一心で早稲田大学を受験

アルバイトに励む大学時代の小島さん

── 小島さんは早稲田大学教育学部国語国文学科をご卒業されています。お父さんの母校でもあるそうですが、進路の決定にお父さんの影響はありましたか?

 

小島さん:特に父の勧めはなかったですね。周りのみんなを驚かせたくて受けました。高校を卒業して浪人したときに、「ここで僕が早稲田に受かったらみんな驚くだろうな」って思いました。逆境に燃えるところもありましたけど、ただ「おもしろいだろうな」っていうのが大きな理由です。早稲田ならどこでもいいやって思って、高校の履修科目で受けられる学部を受験した結果、商学部と教育学部に受かりました。進学が決まったときは、両親はとても喜んでくれました。

 

── 簡単に入れるわけではありませんから、驚かせることに成功したのはすごいですね。学部はどうやって決めたのですか?

 

小島さん:他の同級生と違って正直、国文学を勉強したいという熱意があったわけではありません。商学部と教育学部、どちらを選ぼうか考えていたときに、その前年に広末涼子さんが教育学部に入ったことを思い出し。「同じ授業とれるかも?」って思って学部を決めました。

 

教育学部では広末さんは1学年上の先輩で、学年が違っても同じ授業がひとつだけあったんです。大学って席が自由じゃないですか?授業で教室に入って広末さんを見つけると隣に行って広末さんが芸能人であることを知らないふりして声かけて「名前なんて言うんですかー?」「出身地どこなの?」とかぐいぐい話しかけたんですよ。そのことをご本人も覚えていて、のちにテレビで「芸能人扱いせずに接してくれた」と、すべてをわかっていながら大人の発言をしてくださっていましたけど(笑)。

お笑いサークルで運命的なメンバーとの出会い

大学のお笑いサークルにのめり込む

── 在学中は、大学のサークルでコントグループ「WAGE」を結成。メンバーとして活躍されていたそうですね。お笑いをはじめたきっかけを教えてください。

 

小島さん:入学するとさまざまな部活やサークルの新入生歓迎会などがあり、いろんなところに行きました。そのひとつが岩崎う大さん(現・お笑いコンビ かもめんたる)が入っていたキャンプサークルだったんです。当時、う大さんは、キャンプサークルとお笑いサークルをかけ持ちしていました。

 

僕は目立ちたがり屋だったので、参加したキャンプサークルのお花見でも調子がいいことばかりやっていたんですよね。それを見ていたう大さんが「お笑い好きなの?」って声をかけてくれたんです。「お笑いサークルやってるから来なよ」って言ってくれたので観に行ったら、めっちゃくちゃおもしろくて。そのお笑いサークルが「WAGE(Waseda Academic Gag Essence)」でした。う大さんはお花見のときは隅に座ってるだけの目立たない人だったんですけど、お笑いしている姿がすごく魅力的に見えました。

 

芸能界にはもともと興味があり、タレントスクールのオーディションや登録制のエキストラとかも受けたりしてましたけど、今思うと誰でも受かるオーディションなんですよ。入塾テストみたいなもので。受かってから登録にお金がかかるシステムで、結局、僕にとっては高額でどこにも入れませんでした。そんな経験もしていたので、サークルは無料でお笑いに関われるのというメリットもあって入ることにしました。