ものまねマスクメイクで活躍中のざわちんさん。マスクが戦闘服だったと語るざわちんさんが、マスクを外したときや、多忙を極めてプレッシャーもあったといいます。(全3回中の3回目)

一度マスクを外してみたら

── ざわちんさんといえばマスクをトレードマークとしたものまねマスクメイクで有名です。最初からマスクありでメイクをしようと決めていたのでしょうか?

 

ざわちんさん:決めてました。私が学生の頃にたまたまマスクが流行っていて、マスクがあったほうがよりご本人に似せられると思って、マスクメイクを始めました。ただ、マスクをしていると食レポの仕事が受けられないこともありました。仕事の幅を拡げるために、2014年に思いきってマスクを外すことに決めたんです。

 

── カメラの前でマスクを外すとき、いかがでしたか?

 

ざわちんさん:とても緊張しました。当時、出演したテレビ番組で中居正広さんが司会をしていましたが、中居さんが気づかって声をかけてくれて、すごく嬉しかったです。マスクを外したことでかわいいといってくれる人がいる中で、思っていた顔と違うといわれることもありました。マスクを外すことによって、賛否両論あるだろうなと予想していました。そのためマスクを外したあとは、エゴサーチはしない。心が痛むコメントは見ないようにしていました。

 

── マスクを外すことで、気持ちに変化はありましたか?

 

ざわちんさん:一度、テレビ番組でマスクを外したものの、その後もマスクをつけて仕事をすることもあり、とくに大きな変化はなかったです。ただ、自分はマスクをしてる方が落ち着くなと、改めて感じました。マスクをつけると、気持ちが仕事モードに切り替わるというか、マスクが戦闘服のような感じです(笑)。

 

── マスクを選ぶ際、こだわりはありますか?

 

ざわちんさん:なるべく小さめのマスクを選ぶようにしています。サイズが一番重要で、マスクが大きいとその部分が輪郭として浮き出てしまいがちです。顔が大きく見えたりするので、ほかにも、衣装に合わせて色を選ぶなど、細やかなこだわりがあります。

1年ほど仕事をセーブした理由

── ところで、今まで活動していたなかで、ターニングポイントになったことは何でしょうか?

 

ざわちんさん:今から6年ほど前に1年ほど仕事をセーブしたことでしょうか。応援してくれているファンの方やテレビを見てくれている人たちの期待に応えたくて、常にいろんな難題に立ち向かってきました。正直難しいかもと思うようなモノマネリクエストでもがんばって挑戦してきたんです。

 

でも、同時に自分でも気づかないうちにそれがプレッシャーやストレスになることもあって。収録現場でメイクをしているとき、まわりのスタッフさんたちがこのメイクをどう思っているのか気になるんですね。うまくいっているときはいいけど、思ったように似せられないときは、スタッフさんのリアクションを私が過剰に気にしてしまい、ひとり落ち込むこともありました。

 

── オフのときも、常に人の顔色を見てしまったりするのでしょうか?

 

ざわちんさん:常に気にしていました。子どもの頃いじめを受けた経験から、まわりの人の反応には人一倍敏感です。毎日続くと、心が休まらなくて。その影響が体にも表れてきたのかなと感じることがあり、思いきって1年ほど仕事をセーブしました。一時的に仕事の依頼は減ったものの、旅行に行ったり、友達と一緒に遊んだり。本当に自分が心から楽しめて癒される時間を過ごすことができました。おかげで体調もすっかりよくなりました。

 

── 再び仕事を始めて、気持ちに変化はありましたか?

 

ざわちんさん:ものまねマスクメイクの仕事をする場合、常に頑張り、完璧を求めることはかえって良くないかもと学びました。たまには気を抜いてもいいし、誤差があっても大丈夫。物たりなさに対して自分は気づくけど、意外と他の人は気づいてないよ。だから、気を抜いてもいいんだよってことを心がけるようにしました。

 

── 気持ちが変わったことで、体の状態も変わってきましたか?

 

ざわちんさん:かなり変わりました。体の疲れ具合も以前よりも減り、夜もしっかり眠れるようになってきました。以前は2、3時間で必ず目が覚めてしまっていたのですが、今では7時間、8時間、10時間といった長時間の睡眠も可能になり、すごく気持ちがいいです。

 

体調がよくなってきたことで、気持ちがずいぶん明るくなってきました。仕事で120%の頑張ることも大事だけど、頑張りすぎてショートしてしまうのはだめだなと。それよりもたまには気を抜いて、小さなことにこだわりすぎず、やっていくほうが結果的にはいいクオリティのものを仕上げられるかなと思います。

 

PROFILE ざわちんさん

群馬県出身。芸能人のものまねメイクで大ブレイク、一世風靡をした。現在、マスクメイクをはじめ、さまざまなメイク法をイベントやメイク講習会などで披露・伝授。また新たに開始した『tiktok 赤髪のざわざわ』のtiktokライブが可愛くて面白いと評判。4月は絶賛毎日配信中。

 

取材・文/間野由利子 写真提供/株式会社アローズエンタテインメント、株式会社マネージメントS