毎日晩酌しながら「お互い飲み過ぎだよ」

小林幸子さん70歳のお誕生日にて

── ところで、ご自宅では料理を振る舞うこともあるそうですね。

 

小林さん: 2人で飲みながら作ることもありますよ。料理ができあがった頃には、こっちもできあがってるんですけど(笑)。夫が手際よく作ってくれることもあって、これがまた上手なの。なんでもできちゃう人だから。私も作るのは嫌いじゃないので作るんですけど、美味しくないときがあっても「まずい」なんて言われたことはないですね。怖いのかな、私のこと(笑)。私たちは子どもがいるわけでもないですし、小林幸子を好きに楽しんで生きればいい。無理することはないからねって言ってくれる人なんですね。

 

── お酒はよく2人で飲まれるんですか?

 

小林さん:毎日晩酌です。2人で飲みながらお互いに「飲み過ぎだよ」って2人で同じこと言ってます。

 

結婚してよかったことのひとつとして、絶対的な安心感がありますね。私は人に対して1分1秒過去のことって言ってるわりには、1人になるとじっと考えてしまうことがあるんです。人にはそんなに考えてもしょうがないんじゃないっていうことでも、自分のことになると「昨日のあの話は大丈夫だったかな…」ってひとしきり反省することも。結局、猛省して立ち上がるんですけど、いつもそばに寄り添ってくれる相手がいることは、とても心強いと思いながら感謝して過ごしています。

 

PROFILE  小林幸子さん

1953年生まれ、新潟県出身。64年、10歳で『ウソツキ鴎』でデビュー。79年『おもいで酒』が200万枚突破の大ヒットとなり、日本レコード大賞最優秀歌唱賞をはじめ数々の音楽賞に輝く。その年NHK「紅白歌合戦」初出場。以降34回出場。近年ではニコニコ動画やYouTubeでも活躍し若い世代やネットユーザーからも人気。今年芸能生活60周年を迎える。

 

取材・文/松永怜 写真提供/幸子プロモーション