5年前に出産後、子育てと仕事を両立しているタレントのpecoさん。慌ただしい日常を過ごすなかで、息子さんと接する際に心がけていることを伺いました。(全4回中の2回)
叱った後だからこそ大切にしていること
── お子さんとの接し方などで大切にしていることはありますか?
pecoさん:とにかく自分を好きでいられる子になってほしいです。それが一番の願いです。
息子を叱ることも多いです(笑)。といっても、決して息子自身を否定するのではなくて、自分の行動に気づいてもらえるように、必ずひと言、声をかけるようにしています。
例えば、息子はのんびりやさんで優しいのですが、外出の準備をするときに「時間が間に合わないよ」と注意することが毎日のようにあります。そういうときは、なぜ叱ったのかを息子がわかるように説明して、「ママはあなたののんびりやさんなところが大好きだし、とっても素敵だと思ってるよ。本当にそのままでいてほしい。でも、お約束の時間が決まっているときは、それに間に合うようにしようね」と話すようにしています。
── 子どもが「自分を好きでいてくれる」ことってすごく大事だと思います。でも、親としては声かけが難しくて…。
pecoさん:難しいですよね。私もそう思います。ただ、自分を好きでいられたら、自分が選んだものや選んだ道にも自信が持てると思うんです。たとえ何かがダメになっても、「自分だったら大丈夫」って思えるはずだから。
私も、母にそうやって育ててもらいました。「自分のことだけを好きになってくれたら、あとはもうどうでもいい」っていう感じで育ててくれたんです。私も本当に自分が大好きで、ずっと。生まれ変わってもまた自分になりたいと思っています。息子にも「自分は大丈夫」って思える人であってほしいなと思います。
息子のおかげでめちゃくちゃ成長した
── すごく丁寧に子育てをされているのですね。そんな日常で、お子さんから教わったこと、自分の成長を感じることはありますか?
pecoさん:息子が生まれてから、私はめちゃくちゃ成長したと思うんですよ。ryuchellもそう言ってくれたし、母や友達、まわりの人たちにもよく言われます。「pecoが毎日料理してるなんてありえない!」みたいな(笑)。「包丁持って野菜切ってるの?」「毎日お弁当作ってるの?」って(笑)。それくらい私は、息子が生まれるまで何もしなかったんです。
でも今は、「私が作ったご飯でこの子の体が大きくなっていくんだ」と思うと、自然と「やろう」って思える。そういう感情って、それまでの私の人生にはなかったことでした。こんなに人のために何かをしてあげようなんて、本当に思ったことがなかったんです。だから、人間ってすごいなって思います。
私は元々、どちらかというとメンタルが強いほうだと思うのですが(笑)。すごくベタな表現かもしれないけれど、守るものがあると強くなれるっていうじゃないですか。それは本当に、身をもって感じています。
人が思う欠点って逆に魅力だったりする
── pecoさんは、ファッションとすごく似合っているヘアスタイルも印象的です。子育てしながらどうヘアケアされているのでしょうか。
pecoさん:髪の毛の生え際が黒くなってプリンになると、私すっごく嫌になって、気分が下がっちゃうんです。だから、自分のハッピーをつくるために、プリンになりそうだと思ったら美容室に行きます。美容師さんには、「こういう色がいいな」「こういうカールがいいな」って、80年代の写真を見せながらオーダーしています。
この2年くらいはパーマヘアですが、じつは髪の毛のケアはまったくできていないんです(笑)。
ただ私、例えばお肌でも、ちょっとニキビがぷつぷつってあったり、そばかすがあったり、もしかしたら自分にとっては欠点だって思うかもしれない部分をチャーミングだなって思うんです。その人の魅力を引き出してくれているなあって。
今年の目標は「息子とロマンスカー」
── お子さんとこれからやりたいこと、一緒に行きたい場所はありますか?
pecoさん:すごく身近なことで言うと、息子が「ロマンスカーに乗りたい」って言ってくれたので連れていってあげたいなって思います。
あと、昨年の夏、初めて息子と海外に行って。そのときはグアムだったのですが、息子が本当に楽しんでくれていたので、海外にも行きたいですね。
PROFILE pecoさん
タレント・ブランドプロデューサー。大阪府出身。10代から80年代頃のアメリカンカルチャーを取り入れたファッションで注目を集める。SNSのフォロワーは、Instagramは250万人以上、X(旧Twitter)は90万人以上。2月1日には、初めてのエッセイ『My Life』(祥伝社)を発売した。
取材・文/高梨真紀 写真提供/peco