仕事や子育てに影響は
── 医師から生活面でのアドバイスなどはありましたか?
長谷川さん:お医者さまからは「今まで多分、アクセル全開にして突っ走ってきたと思うので、ここからは少し緩やかに行きましょうね」とおっしゃっていただきました。確かに、モデルの仕事を始めて結婚、子育てとこれまで全速力で駆け抜けてきたので、身体のサインと言えばサインだったのかも知れません。
マラソンに関しても「また走りたくなるときが来ますから、その時にまた走りましょうか」とアドバイスを受けました。マラソンをお休みしている間は、伝統の作法や茶道の精神を取り入れた「WabiYoga(ワビヨガ)」を学んだりしていました。
── 子育てにも変化はありましたか?
長谷川さん:実は私、潔癖症でこだわりが強いんです。そこは自分でもすごく嫌なんですが、性格なので一生付き合っていくしかないなと。子育てに関しても「絶対にこうじゃなきゃいけない」のようなこだわりみたいなのが当時はすごくあったので、自分で自分を追い込みすぎていたのかも知れないと、今回の病気を経て見直しました。
── 今は病気とどのように向き合っていますか?
長谷川さん:今は甲状腺ホルモンの数値が極端に下がったりすることもなく、経過観察の状態です。完治することはないそうですが、今のところは以前のような症状が出ることもなさそうなので。ただ、私も50歳。年齢も年齢なので、何がきっかけでまたどうなるか分からないので、気をつけるようにしています。
── インスタグラムでもトレーニングやダンスなどアクティブな活動が目立ちますね!
長谷川さん:地道にトレーニングを積んできたことで、今は身体がとてもいい状態。多少気持ちが落ち込んでいても、身体が疲れにくくなっていると感じます。ただ、以前に比べてイライラすることが増えているような?(笑)ママ友に相談すると「それ更年期障害だよ~」なんて言われるのですが、今回の身体の不調と向き合ったことで、そういうことともうまく付き合っていけそうかな、なんて。身体の健康はもちろんのこと、気持ちの面の健康も大切にし、両方のバランスを保てるように心がけています。
PROFILE 長谷川理恵さん
1973年生まれ。神奈川県出身。大学在学中に雑誌『CanCam』の専属モデルとしてデビュー。女性ランナーブームを牽引しながら、食や健康に関する知識も豊富で、さまざまな資格を保有している。
取材・文/平岡真汐 写真提供/長谷川理恵