父は元横綱・貴乃花光司さん、母は元フジテレビアナウンサー・河野景子さん。著名人の両親を持つ白河れいさんは当初、俳優の夢を打ち明けられずにいたそうです(全2回中の1回目)。
学校では自由にやっていたものの…
── 子どもの頃はどんな子どもでしたか。
白河さん:人が好きで明るい子どもだったと思います。バレエを3歳から13歳までやっていて歌ったり踊ったりすることも好きでしたし、3兄弟の末っ子なので、家族の中でもムードメーカー的なところはあった気がします。
── 学校生活はいかがでしたか?
白河さん:誰とでも仲良くするタイプでしたが、小学生の頃は今思えば少し生意気だったかもしれません。家では反抗期はまったくなかったんですけど、学校の先生には何か思うことがあれば「それは違うと思います!」と意見を押し通してみたり、今思うと先生に申し訳なかったなって思います。
── お父さまは貴乃花光司さん、お母さまは河野景子さんとご両親共に著名人ですが、学校生活に影響はありましたか?
白河さん:小学校から同じ系列の学校に通っていたので、周りの親御さんたちも過敏に反応する感じではなかったような。ただ、学校ではわりと自由にやっていましたが、それでも何か起こしたら親の名前に傷がつくとか、一線は越えないでおこうみたいなのはやっぱりありました。あと、授業参観の日はちゃんとしておこう!とか。これはみんなですかね(笑)。
── 高校はイギリスの学校に留学されたそうですね。何かきっかけがあったのでしょうか。
白河さん:中学2年生のときに学校のプログラムでオーストラリアに2週間、短期留学をして、もっと英語が話せるようになりたいって思ったんです。
あと、私が小さいときから一番やりたかったことがお芝居なんですけど…。子どもの頃からドラマや映画を観て、将来は自分も演じる側にもいってみたいなって思ってたんです。これはどうやって撮ってるんだろうとか、どの角度から撮影してどうカットを繋げていくんだろうとか、お芝居ができていく過程にも興味がありました。祖母と一緒に過ごす時間も多かったので、一緒に『水戸黄門』観たりして、年代を超えて愛される作品ってすごいな!って思いながらテレビの前に座ってましたね。
高校は、将来俳優を目指すにしても違うにしても、英語は使えた方がいいだろうなと思って海外の学校を考えた感じです。
渋谷に行くぞ!のノリではなかった
── ご家族には、将来の夢はお話しされていましたか?
白河さん:「英語を学びたい」とだけ言ってお芝居については話さなかったですね。たぶん「やっちゃいなよ」とは言われないだろうし、無理だよとか、大変だからやめなさいって自分の夢を否定されるのも怖かったんです。芸能界が大変だということを誰よりもわかっている家族なので、それなら言わない方がいいのかなって自分の中で抑えてました。
あと、自分でも芸能界は厳しい世界だろうと想像していたので、留学したらお芝居以外のことにも視野が広がって、違う分野に進んでもいいかなって考えていたんですけど。
── 留学生活はいかがでしたか?
白河さん:入学して3か月間ずっと泣いてました(笑)。英語もほとんど話せない状態…、中学英語を勉強した程度だったので会話が全然通じないし、世界から生徒は集まっていましたが、各国のマナーや異文化にも始めは慣れなかったです。
授業に関していうと、日本だと授業中に静かにしているのがいい子。先生の言うことを黙って聞いているのがいい子だとしたら、私が行った学校でそれしちゃうと意志がない子ってみなされちゃうんです。「質問ありますか?」と聞かれたら絶対、質問しないといけない雰囲気で、わからないからといってシュンとしていても「大丈夫?」って心配されるのではなく、「やる気ないの?」といった空気でしたね。
── 学校はロンドンにあったそうですが、休日はどのように過ごされましたか?
白河さん:外出することもありましたが、学校の門限が夜の6時、7時と早かったので、東京の女子高生のように「これから渋谷に行くぞ!」という感じではなかったですね。学校の敷地が緑豊かで森のように広かったので、そこでベンチに腰掛けてみんなでよくお喋りしてました。
学校に入って4か月くらい経ったときに、すごく気の合うドイツ人の友達ができたんです。彼女と一緒にいるととても楽しくて、そのおかげもあってか英語も徐々に上達していって、気づけばみんなとコミュニケーションも取れるようになっていきました。充実してましたね。
強いて言えば、海外の学校だからダンスパーティもあるのかと思って楽しみにしていましたが、1年に1回食事会があるくらい。各国の料理が出てきてそれはそれで楽しかったのですが、ドレス何着ようかなと楽しみにしていたのが制服だったのでちょっと残念でした(笑)。
あえて親の名前は出さないで
── その後、高校を卒業して日本に戻られてから芸能事務所に入ったそうですね。
白河さん:日本に戻って大学生になりましたが、やっぱりお芝居がしたいなって改めて思ったんです。自分でオーディションサイトにプロフィールを作成してアップすると、いろいろな事務所がプロフィールを見られるサイトがあるんですけど、そこで一番最初に連絡をいただいたのが今の事務所です。
── ご両親の名前は出さないで応募されたとか。あえてですか?
白河さん:あえてですね。両親の名前を書くとそこに目がいってしまうでしょうし、はじめは自分でやってみたかったんです。結局、オーディションを受ける段階で母には話をしましたが、隠してたつもりが気持ちはわかっていたみたいです。兄も特に驚いていなかったし。父にはしばらく会えていなかったので、デビューと同時に手紙で伝えました。
── その後、2023年から『ぽかぽか』の月曜レギュラーに就任するなど、どんどん活躍されていきました。
白河さん:普通の大学生だったはずが、一気に世界が変わりましたね。今年はドラマ出演もありますし、ますます気合が入っています。
PROFILE 白河れいさん
2002年生まれ。東京出身。2023年芸能界デビュー。『ぽかぽか』に出演。テレビ・バラエティほか幅広く活動中。2024年1月から放送の『婚活1000本ノック』に出演。
取材・文/松永怜 写真提供/白河れい