2児の父である古坂大魔王さん。第一子の子育ては妻から「子育ては2%しかしていない」と言われ、第二子は働き方も変えたというが──。(全3回中の2回目)

子どもの世話をしたつもりだったが

── ふたり目のお子さんが誕生したとき、2週間の育児休業を取得されました。

 

古坂大魔王さん:第一子が生まれたとき、自分としては「育児をやっているつもり」になっていましたが、妻から2%もできてないと言われました。その反省から第二子の育児は、もっと積極的に関わろうと思ったのです。

 

第一子が生まれた2018年は『PPAP』(ピコ太郎)が大ヒット。海外と日本を往復することが多く、ほとんど自宅にいない状態でした。それに対して第二子が生まれた2020年はコロナ禍だったこともあり、ほぼすべての出張がなくなりました。仕事も自宅を改築した地下のレコーディングスタジオでやるようにしたため、ほとんどの時間を家で過ごしました。

 

実際に育児休業を取ったのは2週間。その間はレギュラー番組の出演や楽曲制作も休んで育児に専念しました。具体的には、第二子が生まれる前から第一子の保育園の送迎を始めて、実際に第二子が生まれたら、上の子と一緒にお風呂に入れて、寝かしつけをして、子どもが散らかした部屋の片づけをする。夜中に子どもが泣いたら妻の代わりに起きて世話したりもしました。第一子のときは、子どもの世話だけやったつもりになっていましたが、完全に仕事を休んで育児に専念したことで、子どもふたりを同時に世話する大変さを改めて実感できました。

 

── 育児休業を2週間取得してみて、まわりの反応はいかがでしたか?

 

古坂さん:育児に2週間かかわったくらいで意味がないという批判がある一方で、正直、育休について何日取ろうが興味ないという薄い反応が多かった印象です。また、僕らより上の世代の人たちは、仕事人間で育児は妻任せだった人が多く、育休に関する話題に触れてほしくない感じでした。

 

── 母親たちからは、男性が育児をやるとイクメンともてはやされるという意見があります。

 

古坂大魔王さん:妻は10か月おなかに子どもを宿したうえに、痛い思いをして出産しています。その後も育児と家事をしても誰も褒めてはくれません。でも夫は子どものおむつを1回替えたくらいでみんなからイクメンともてはやされ、ほめられる。毎日子どものお世話をしている妻にとっては、「こっちは1000枚替えてるのに!」と思いますよね。でも、これは男女の闘いにしてはいけないと思うんです。どちらが偉いかより、お互い頑張っていることをねぎらうほうがいいと思います。

 

また、年齢による価値観の違いもありますよね。僕は今50代ですが、僕ら世代は夫婦共働きでも保育園や習い事の送迎に週1回でも行ったら、あのパパは優しいねという時代だったんです。これに対して30代の妻は、夫婦共働きで、家事も育児もお互い協力してやる家庭が多い。そう思うと、僕のやっていることなんて、他の30代のパパたちは当たり前にできていることなのかもしれない。

「楽勝」だったはずの夜泣き対応

── この3年間で働き方も大きく変えたそうですね。芸人さんという時間帯が不規則なお仕事で、どのようにスケジュールを組んでいますか?

 

古坂大魔王さん:今は保育園の送迎を考えて、働く時間は朝10時から夕方5時半まで。土日夜間は仕事を入れないし泊まりもなし。生放送は別ですが3年間、この勤務時間でやってきました。最近、第二子が3歳になったので、少し泊りの仕事を入れるようになったくらいです。

 

── 育児で一番大変だと思ったのはどんなことですか?

 

古坂大魔王さん:夜泣きです。第一子のときは、子どもがどんなに泣いてもまったく目を覚ますことなく、妻から責められたこともあります。そこで第二子のときは妻と交代にしたんです。夜10時までは妻が子どもをみて、そのあと僕が朝まで面倒を見る。2人目の子どもは生後10か月目まで夜8時間寝てくれたので楽勝だと思ってました。

 

でも、第二子がだんだんと寝なくなって。毎晩10時、午前3時半、午前5時半に起きるんです。しかも鼻が詰まってせっかく飲ませたミルクをはき、夜中に洋服とシーツを何度換えたことか。子どもが寝ないから僕も眠れない。真っ暗なリビングでバランスボールに座り、子どもを抱っこして、Netflixをつけて無音で字幕をボーと見てました。

 

── ずっと抱っこしていたのでしょうか?

 

古坂大魔王さん:子どもが寝たと思って布団に置こうとすると泣くんです。半年間眠れない日々が続きました。妻にいっても「そうだよ」と、サラッと流される。眠れなくてつらいのに周りからは「大変ですね」とひと言もいわれないどころか「今が一番かわいい時期ですよね」と言われる。正直、人の苦労も知らないで!と頭にきますよね(笑)。

 

── お子さんたちが5歳と3歳になった今は、寝つきはよくなりましたか。

 

古坂大魔王さん:上の子はニュースで怖い話を聞くと眠れなくなります。下の子は、成長痛で足が痛くて泣くことがあります。上の子は安心する言葉がけをして、下の子は足をさすって立て抱っこすると眠れます。今、下の子の寝かしつけは妻よりも上手になったほどです(笑)。

 

PROFILE 古坂大魔王

1973年生まれ。青森県出身。2児の父。プロデュースしたピコ太郎の「PPAP」が世界的に大ヒット。文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使。青森産の高級リンゴを生産するプロジェクト「Princess Piko Apple Project」を始動。

 

取材・文/間野由利子 画像提供/エイベックス・マネジメント・エージェンシー提供