フリーアナウンサーとして活躍の場を広げている小川りかこさん。コロナ禍に出産し、人に会えないさみしさから救ってくれたのは、やはり仕事だったそうです。（全3回中の3回）
当時は情緒が不安定だった
── コロナ禍で、人が集まるイベントができない時期もありました。
小川さん：そうなんです。イベントの仕事はほとんどなくなってしまいました。大変な時期でしたよね。私はちょうどコロナの流行直前に出産したので、どちらにしても仕事はできなかったのですが、外に出られないのはつらかったです。
「出産後、落ち着いたらランチしようね」と話していた友達とも集まれなくなりました。実家の家族にもなかなか会えなくて。毎日、息子と家に閉じこもっていた時期は、自分を鳥かごの中の鳥のように感じました。
感情の起伏が激しいタイプではないのですが、当時は情緒不安定になってしまい。いま思うと産後うつになりかけていたのかもしれません。
── 出産後、ただでさえ孤独を感じやすい時期に、つらかったですね。
小川さん：そんなとき、救いになったのは仕事でした。イベントの仕事はほとんどなかったのですが、ナレーションの仕事はブースの中でひとりでできるため、なくならなかったんです。「体調がいいなら、やってみる？」と声をかけてもらって、仕事を少しずつ再開しました。
たとえ短い時間でも、仕事はコロナ禍に外部とつながることができる唯一の機会でした。20分でもいいから早めに家を出て、ひとりでお茶をする時間が何よりのリフレッシュになって、ありがたかったですね。
── よくわかります。最近は、人が集まるイベントも再開されていますね。
小川さん：お客様の反応をダイレクトにいただけて、いろんな方と直接お話しできるイベントの仕事は、やっぱり楽しいですね。
赤ちゃん時代とは違って、子どもに「行かないで」と言われて
── 仕事とプライベートな生活のバランスについてもお聞きしたいです。
小川さん：夜間に開催されるイベントも多いので、家族の協力がないと仕事はできません。夫とは結婚して10年。双方の家族とも仲がいいんです。夕方以降の仕事が入っているときは、子どもと一緒に実家へ行って、そのまま泊まらせてもらうこともあります。
乳幼児の頃は、私が夜仕事へ出かけても泣かない子だったんです。「そういう子なのかな」と思っていたら、最近は「ママお仕事行かないで」と言うときもあり、これも成長なのかな、と思いながらも、胸が痛むことがあります。
── 家事シェアやタイムマネジメントなど、工夫されていることはありますか？
小川さん：夫とは得意な家事が違うので、自然と分担しています。料理は私がして、洗い物は夫がしてくれます。私が洗濯物を取り込んでおくと、何も言わなくても夫が私よりもきれい（笑）にたたんでくれています。
私は、あまり細かいことは気にしないタイプなんですけど、子どもの口に入るものは気になります。食事はバランスよく食べてほしいので、時間があるときに下ごしらえをしておいたり、市販のお菓子を食べすぎないようにはちみつレモンゼリーのような簡単なおやつを手作りしたり…。
最近は「麹」が気になっていて。麹などの発酵食品を活用して、おいしくて体にいい料理を作れるようになりたいと思っています。
── お仕事柄、絵本の読み聞かせはきっとお上手ですよね。
小川さん：絵本は毎晩読み聞かせています。キャラクターごとに声色を変えるなど、ついちょっとしたアレンジを加えてしまいます（笑）。最近は、子どもが私の真似をして読み聞かせてくれるようになりました。
── これからやってみたいお仕事はありますか。
小川さん：これからは、オンラインでできる仕事を増やしていけたらいいな、と考えています。最近は、個人でオンラインセミナーなどを開催している方も増えていて、そういう方から「話し方講座をやってほしい」と、ご依頼いただくこともあります。
アロマテラピーの講座も、ときどきやりたいですね。資格を取るほどではなくても、日常生活に取り入れるコツを知りたいと思っている方は多いですよね。
私はコロナ禍でさみしい思いをしたので、将来的には、子育て中の親御さんがお子さんを連れて集まれるような場も作れたらいいな、と思っています。
PROFILE 小川りかこさん
フリーアナウンサー、『BS11宝くじドリームサテライト』のキャスター、ナビゲーター、リポーター、イベントの司会など幅広く活躍。2008年にアロマテラピーの資格を取り、日常に取り入れている。1児の母。
取材・文／林優子 画像提供／小川りかこ
