おぎやはぎ・小木博明さんとひとり娘を育てている奈歩さん。育児を通して夫の価値観に驚いたり、自分の子ども時代を思い出したり。小木家の子育てについて聞きました。(全4回中の3回)

注目を集めた小学校卒業式の家族写真

── 現在、14歳になる娘さんのママとして、子育て中の奈歩さん。インスタグラムの投稿では、お子さんと過ごす時間を楽しんでいらっしゃる様子が伺えます。小学校の卒業式での家族写真では、それぞれ個性あふれるファッションがバッチリ似合っていましたね。

 

小木さん:ありがとうございます(笑)。もともと私自身、小さい頃からファッションが好きなので、娘にも「こういう服も可愛いよ」とか「こんな着方もいいんじゃない?」などと、親子で楽しんでいるうちに、彼女もおしゃれに興味を持つようになったようです。「その服装、可愛いねと褒められたよ!」と嬉しそうに報告してくれることが増えました。

 

娘はわりとおとなしいタイプなのですが、自分の好きなことで人から認めてもらえるという経験が自信にも繋がっているらしく、誰とでも臆することなくコミュニケーションをとることができているようです。

 

娘さんが着ているVivienne Westwoodのセットアップは奈歩さんが30年前に着ていたもの

── お子さんは中学3年生とのことですが、お受験も経験されていますか?

 

小木さん:母と私たちきょうだいの母校に、幼稚園のときから通っています。個性を尊重する自由な雰囲気があって、私も学校生活がとても楽しかったので、いずれ娘にも通わせたいなと思っていたんです。フルタイムで働いていたので、幼稚園受験をするかどうかは迷いましたが、家族で見学に行ったら「俺もここに行きたかった!」と夫も気に入ったので、お受験することになり、今に至ります。

 

ただ、彼は子どもに関しては、「いい学校に入っていい会社に就職してほしい」という超保守的な考えがあるので、「得意分野を生かして、今からもっといい大学を目指す道もあるよ」などと、娘に言うんです。娘の反応はかなり薄いようですが(笑)。

 

私としては「いい学校に行っていい職につく」という「いい」の意味は、人それぞれ違うと考えているので、娘にとってそれが何かは彼女自身が決めてくれればいいと思っています。

中学生になって親子の過ごし方に変化

── 娘さんとは、どんなふうに過ごすことが多いのですか?

 

小木さん:映画を観たり、ディズニーランドにもよく行きました。親子でお笑いが好きなので、お笑いの舞台を一緒に楽しむことも多いですね。娘のお気に入りは、子どもの頃から見ているバナナマンと東京03です。

 

ただ、やっぱり中学生になると行動範囲が広がるので、休日は予定が埋まっていて、なかなか一緒にお出かけしてもらえなくなりました。ですから、一緒に行きたい場所や観たい映画があるときは、その都度、魅力をプレゼンしながら誘っています(笑)。

 

最近は、もっぱらK-POPにハマっているようですが、そうかと思えば、20年ぐらい前のアイドルの音楽も聴いたりして。ひとりでもイベントなどにどんどん出かけて、楽しそうにしていますね。

 

── 中学生にして、単独で趣味を楽しめるアクティブさがあるのはいいですね。

 

小木さん:私自身も中学生の頃からひとりでイベントやライブハウスにしょっちゅう出かけていたので、趣味への向き合い方がやっぱり親子だなと思います。趣味を通じて学校以外のお友達も増えましたし、いろんな考え方に触れることで視野も広がって、とてもいい経験になりました。娘にも、そんな楽しい時間をたくさん過ごしてもらいたいですね。

 

中高生の時期は、周りのみんなが知っていることを自分だけ知らないと疎外感を抱きがちですが、私の場合、昔からわりとそうしたことには無関心なタイプでした。どうやら娘も同じようです。

 

奈歩さん中学生のころ。娘の成長に自身の子ども時代を思い出すことも

「認めてあげる」とはちょっと違う娘への接し方

── これまで、子育てで意識してきたことはありますか?

 

小木さん:子どもの考えを「いじらない」ということは、ずっと心がけてきました。その年頃でしか考えないことや、モノの見方に対して、大人が横から何かを言うことで、枠に閉じ込めてしまうんじゃないかという思いがあります。といっても、子どもの考えを「認めてあげる」という感覚とはちょっと違っていて、「ああ、こんなふうに考えるのね」というように、口出しも手出しもせずに、黙って見守るという感じですね。

 

ただ、うちの夫は子どもにとって「変なことを言う人」。「そんな話をしても、子どもには受け止めきれないよ」というようなシビアなことを言ったりするのですが、娘は困惑するでも言い返すでもなく、「まあ、芸人の言うことだから」と気に留めずに、受け流しています(笑)。

 

小木博明さんがパパの顔!娘さんは中学生に成長

── 娘さん、クールですね(笑)。

 

小木さん:感情的になったりせず、穏やかに受け止めるというか、受け流すところは、夫に似ていると思います(笑)。

 

── 夫婦の会話がすごく多いおふたりですが、お子さんとのコミュニケーションも豊富そうですね。 

 

小木さん:そうですね。多いほうだと思います。いまは自分の趣味に夢中な時期なので、ひとりで部屋で音楽を聴いたり動画を観ていることも多いのですが、ちょっとした嬉しい出来事があると、すぐに家族のグループLINEに報告がきますね。

 

この先、どんな道に進むかは、娘次第ですし、私自身はとくに願望もないですが、たくさん好きなことを見つけて、自分なりに楽しく過ごしてほしいなと思っています。

 

PROFILE 小木奈歩さん

1971年生まれ、東京都出身。会社員を経て1999年から2005年まで、ウクレレコーラスデュオ「Petty Booka(ペティブーカ)」で活躍。2006年にお笑いコンビおぎやはぎの小木博明と結婚し、現在一児の母。母親は歌手の森山良子。

 

取材・文/西尾英子 画像提供/小木奈歩