事故から4か月で復帰ライブへ

猪狩ともか

── 2018年8月、事故から4か月経った頃に復帰ライブがありました。まだ入院中で、一時外泊の状態でステージに上がったそうですね。

 

猪狩さん:許可した先生もすごいね、みたいに言われるんですけど(笑)。復帰ライブの前に1回試しで自宅に外泊をしたことはありましたが、もちろんステージとは全然違います。

 

この日を復帰ライブに選んだのは、そもそも事故に遭う前から福井県鯖江市の「めがねのまち鯖江大使」として京セラドームに仮面女子が出演することが決まっていたからです。埼玉西武ライオンズが出る試合で、埼玉西武ライオンズファンの私としては絶対出たかった。本当はその日までに退院を目指していましたが、体が追いつかなかったんです。なので入院中に外泊をしてステージに立ちました。復帰一発目のステージは仮面女子の劇場が良かったので、京セラドームに出演する前に劇場で復帰ライブをしました。

 

── 久しぶりのステージはいかがでしたか?

 

猪狩さん:ファンの方の声援がすごく大きく感じましたね。今までこんなに大きかったっけ?みたいな。復帰ライブは最後のフィナーレ1曲だけ参加しましたが、アドレナリンが出ていたからか、体調の悪さも感じなかったですね。その後、9月に退院して新たなスタートを切りました。

 

PROFILE  猪狩ともかさん

1991年生まれ、埼玉県出身。2018年4月強風で倒れてきた看板の下敷きになり、緊急手術を受けたが脊髄損傷を負い、以後下半身付随に。リハビリを経て車椅子に乗りながらアイドルとして復帰を果たす。

 

取材・文/松永怜