「夫は私よりできる」と夫で俳優の木村了さんの家事スキルを語る奥菜恵さん。夫婦仲が良い理由や、仕事と両立しながら2人の娘とどう向き合っているのか、お話を伺いました。(全3回中の3回)
夫婦仲を保つ秘訣は
── ご夫婦で共働きですが、夫で俳優の木村了さんと家事分担はしていますか。
奥菜さん:うちは、役割分担は何もないんです。気がついた人で、できる人ができるときにする感じです。お互いに不規則な仕事なので、夫が仕事でいない時は私がしますし、私がいないときは夫がします。
でも、昨日、夫は仕事があったんですけど、犬の散歩も夕食の支度も、その後の洗い物もしてくれていました(笑)。家事に関してはむしろ私よりできるんじゃないかなと思うくらいです。「これをして」と夫に何かお願いしたことはないです。
── 素晴らしいですね!夫婦仲が良いことでも知られていますが、何か秘訣はあるのですか。
奥菜さん:お互いの時間軸を尊重し合っていることが大きいかもしれません。あとは時間が合うときにちょっと2人でランチをしに行くとか、年に何回か食事に行くとか、そういうことはたまにしていますが、うちはとにかくよく話します。子どもの前でも、子どもも含めても話しますし、夫婦2人のときにも会話が多いと思います。
昔は喧嘩もしていた時期もあったんですが、今はしなくなりました。喧嘩と言っても、お互いを思い合って意見がぶつかるということなんですが、もうそんなことも何年もないですね。
── 旦那さんは9歳年下だと伺っていますが、年齢差を感じることはありますか。
奥菜さん:年齢の差はあんまり感じたことがないです。むしろ夫は、私よりしっかりしているかもしれません。
夫は子どもたちとも仲が良くて。長女はもう中学生なのでベッタリということはないですが、次女は私と出かけるより夫と2人でいる方が楽しいみたいですよ。
仕事との両立も「子どもがいちばん」
── お仕事と子育てのバランスはどう保っているのですか。
奥菜さん:家ですべきことっていろいろありますよね。仕事柄、日によって帰りが遅くなる時もあるのですが、なるべく子どもが成人するまでは、どんなに忙しくても子育ていちばん、子どもがいちばんというふうに考えています。
これは子どもを産むときから思っていたことで、今でも変わっていません。食事のこともそうですし、小さい頃は宿題を見るというようなことも。そういう日々のことを通して会話をする時間がなくなってしまうと、子どもたちのちょっとした心の変化を見逃してしまう気がするので、なるべく一緒の時間を大切に過ごしたいという気持ちでいます。
でも、そうは言っても作品に入ったら集中しなくてはならないときもありますし、仕事にはそういう気持ちで臨みたいと思っているので、家庭や子育てとの両立やバランスを取ることは難しいです。でも、子どもは命なので、まずはこの命を守り、育てるということが私のいちばんの務めだと思っています。
── 娘さんの年齢の頃、奥菜さんはすでにお仕事を始めていましたよね。
奥菜さん:…。そうですね!そんなこと考えたこともなかったんですが、そうでしたよね。そう思うと、こんなに若いときからお仕事しなくていいよと思いますね(笑)。
── 現在、尋常性白斑の治療中とのことですが、病気が発覚したとき、ご主人は何かおっしゃっていましたか。
奥菜さん:そのときも一緒に病院に行ってくれたのですが、夫は「とにかくできることは何でもしよう」と言ってくれました。今も自然に寄り添ってくれています。
芸能のお仕事もマイペースに続けさせてもらっていますが、病気が発覚して、家族や友人、仕事関係の方の存在のありがたみをさらに感じましたし、みんなに支えられて自分がいるということを実感しました。この気持ちを忘れないで、毎日を楽しく、丁寧に生きていきたいと思っています。
今は目の前のことでいっぱいいっぱいなときもありますが、俳優業は変わらずマイペースに丁寧に進めていきたいという思いはありますし、新たなチャレンジも続けていきたいです。今後は社会支援として、子どもたちや母親のための活動にも取り組んでいきたいと思っています。
PROFILE 奥菜 恵さん
1979年広島県生まれ。13歳でデビューし、テレビドラマ、映画、舞台、CMと幅広く活躍。プライベートでは2人の娘の母。この秋公開の岩井俊二監督による映画「キリエのうた」に出演。自身がプロデュースしたドクターズコスメ、ヒト幹細胞培養上清液配合美容液「ni-Nin」(ニーニン)が販売中。
取材・文/内橋明日香 写真提供/奥菜 恵