現在、海外で暮らしている久慈暁子さん。日々の生活のなかで、特に食事作りは毎食大変だそうで──。海外での暮らしぶりを伺いました。(全3回中の3回)

結婚後の生活

──ご結婚後は海外で暮らされていますが、それまでは遠距離恋愛をされていたそうですね。

 

久慈さん:おつき合いをしていた頃、夫はカナダのトロントに住んでいました。距離はありましたが連絡はけっこう取りやすかったです。日本が朝のときは向こうは夜。向こうは夜のときにこちらは朝だったので、朝晩は連絡が取れる状態でした。日中に連絡は取れなかったのですが、私は仕事に集中できていました。

 

久慈暁子さん
休暇で訪れたハワイでリゾートスタイルの久慈さん

── お互いに仕事をされていますが、家事などは分担されているのですか。

 

久慈さん:基本的に私がしています。あまり夫に家事をしてほしいと思わないんです。家にいる間はできるだけ休んでほしいなと思っています。それに夫はオフでも毎日練習しているんです。その姿を見ているので私がサポートできる部分はしたいなと思っています。先日、休暇でハワイにいたときにも朝早く起きて練習に行く姿を見ていましたし、本当にバスケに真剣に向き合って頑張っているので尊敬しています。

買い出しはカート持参で

── 食事は和食をメインで作るのですか。

 

久慈さん:夫も私も和食が好きなのでニューヨークでも和食を作ることが多かったです。シーズン中の食事面は、プロの方にお任せしていることが多いのですが、シェフが不在のときは私が作っています。

 

食事はひとつのストレス解消や楽しみにも繋がると思うので、夫に何を食べたいかを聞いて、お肉やシーフードなどプロテインが多めの食事メニューを意識しながら作っています。

 

── 食事の量も多そうですね。

 

久慈さん:夫はひとりで4人前食べるので、私も入れて毎食5人分作る感じです。買い物に行ってもすぐに食材がなくなってしまうので、買い出しはけっこう大変で一大イベントです。重くて手では絶対に持って帰れないのでカートを持って買い物に行くのですが、オフのときには夫も一緒に行ってくれます。

 

アメリカは週末に食材を大量買いするイメージがあるかと思いますが、それをわが家では週に何回もしている感じです。

 

食事を作るのも大変なので、「よし作るぞ!」と心を決めてから作ることが多いです。いつも、ものすごく大きな鍋でご飯を作るのですが、岩手の実家に久々に帰ると食事の量の少なさに驚きます。「あぁ、普通の家庭の食事ってこうだったな」って(笑)。

 

久慈暁子さん
SOHO地区を散策する久慈さん シックにまとめたコーディネートもおしゃれ!

── メニューを考えるのも大変そうです。

 

久慈さん:同じものばかりでは飽きると思うので何品もメニューを考えています。それに、一食分作ったらまた次の食事のことを考えます。一日を通して、食事を作ったり考えたりする時間が多くて、それだけでお腹がいっぱいになり満足してしまうので、日本にいたときより体型がすっきりしたかもしれません(笑)。

 

── 和食をメインで作るとのことでしたが、食材は手に入りますか。

 

久慈さん:ニューヨークは都会でなんでもあったので、お刺身なども売っていました。ただ、物価がとても高いので買うものを精査しながら買い物をする日々でしたね。それに、薄切りのお肉が置いていないことには驚きました。塊や分厚いお肉を買ってお家で地道にスライスすることもありました。日本は本当に便利ですよね。

 

── 日本に帰国してあらためて感じる、日本の良さはどんなところですか。

 

久慈さん:とにかくご飯が美味しいことですね。日本で食べる和食が一番美味しいと感じます。それに、地元に帰ると空気も綺麗です。空気や水、お米のおいしさをあらためて感じます。

 

久慈暁子さん
地元の岩手県で 青々とした稲穂をバックに

── 世界で活躍される旦那さんへの思いを聞かせてください。

 

久慈さん:夫は大学生からアメリカに来て10年になりますが、最初は英語も全く話せないままだったそうです。きっと孤独を感じることもあったでしょうし、そのなかでもバスケ一筋でずっと続けてきた人だと思います。

 

家で一緒に食事をして日本語で会話する時間が、少しでもリラックスできる時間になっていたらいいなと思います。今を全力で生きている彼を、私は全力でサポートしていきたいという気持ちです。

 

PROFILE 久慈暁子さん

久慈暁子さん

1994年岩手県生まれ。学生時代にnon-noモデルとして活躍し、その後フジテレビのアナウンサーとして「めざましテレビ」などに出演。退職後はフリーアナウンサーやモデルとして活動の幅を広げる。プロバスケットボールプレイヤーの渡邊雄太選手と結婚後、アメリカ在住。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/久慈暁子