結婚後、アメリカで暮らす久慈暁子さん。海外での生活に向けて、コツコツと英語の勉強を重ねたそう。お話を伺いました。(全3回中の2回)

ニューヨークでは「街になじむように」

── 海外生活で大変なことはありますか。

 

久慈さん:ニューヨークは都会なので生活面での不便さはそんなにないのですが、お化粧室があまりないことは不便です。あったとしても鍵がかかっているので、お店の方に暗証番号を聞いて開けるようになっています。

 

久慈暁子さん
ブルックリンブリッジをバックに美しいニューヨークの夜景と久慈さん

急に行きたくなってもなかなか行けないのは不便です。日本に帰国するたびに、どこに行っても綺麗なお化粧室があるのは毎回感動します。

 

それと、やはり治安の面には気をつけています。私はまだ危険な場面にあったことはないのですが、携帯を持って歩いていたら取られたとか、物を盗まれたという話は聞きます。私も、日本で持っていたようなファスナーがない、口が開いたバッグは持たないようにしていますし、なるべく地味な格好で出掛けるようにしています。

 

── モデルをされていながら地味な格好というのはギャップがありますね。

 

久慈さん:普段電車で移動する際などはできるだけ目立たないようにしています。ただ、無頓着にはならないようにしたいので、例えばレストランに食事に行く際などはオシャレに気を使うようにしています。

 

── 現地では英語で話す機会が多いですよね。

 

久慈さん:アナウンサーをしていた母が、仕事を辞めたあとに英語の先生をしていたので、英語に触れる機会は多くあったと思います。英語は好きで、資格試験なども受けていたんですが、実際に住んでみると全然違いますね。

 

文法は知っていても、言葉なので日常では使い方が変わっていたり、スラングもあったり。わからないときは夫に教えてもらっていますが、とにかく「伝えたい」という気持ちがいちばん大切なんだと思います。伝えようと、英単語を並べて話すとわかってくれることが多いです。

アメリカのジョークを理解するのはまだまだ難しい

── 現地でも英語の勉強を続けていると聞きました。

 

久慈さん:はい。毎日、オンライン英会話のレッスンを受けて、カフェに行った際はスタッフの方にも積極的に話しかけるようにしています。チームメイトの妻たちが集まる会もあったので、「絶対にそれまでに英語を話せるようになろう!」という目標を立てて、トレーニングを積んで(笑)。家族が日本人だと家で日本語を話してしまうので、家以外でいかに英語を話すかを大事にしています。

 

久慈暁子さん
サイズ感がやはりアメリカ!美味しそうな山盛りポテトと

── 会に参加してみて、いかがでしたか。

 

久慈さん:すごく皆さん優しくて。日本人は、英語を少し話せたとしも「喋れない」って言う方が多いと思うのですが、向こうの方は「こんにちは」って言えただけで日本語を話せると言います。なので、私が片言でも英語を話すと、ものすごく褒めてくださって。「私なんか英語しか話せないわよ」と言って、私が理解できるように簡単な単語を使って話してくれました。

 

── 普段、ニューヨークではどのように過ごしていますか。

 

久慈さん:夫は長いと2週間ほど家を空けることもあり、シーズン中はバスケに専念しているので、その期間は私ひとりで過ごしています。英会話スクールに行ったり、料理を作ったり。ニューヨークは観るところもたくさんあるので一人でも楽しく過ごすことができます。

 

ミュージカルも観に行きましたが、英語が早くて難しかったです。お客さんが笑うポイントも、それが面白い部分だというのがわからなくて。「え?今、笑うところなの?」と置いてきぼりになることも多いです(笑)。ジョークを理解するのはまだまだ難しいですね。

 

── 現在もモデルのお仕事やテレビ出演などを続けていますが、お仕事について考えていることはありますか?

 

久慈さん:夫は私のお仕事を尊重してくれています。私も夫がバスケットボール選手であることを尊敬していますし、彼をサポートすることを最優先に、これからもお仕事も続けていけたらと思っています。

 

PROFILE 久慈暁子さん

久慈暁子さん

1994年岩手県生まれ。学生時代にnon-noモデルとして活躍し、その後フジテレビのアナウンサーとして「めざましテレビ」などに出演。退職後はフリーアナウンサーやモデルとして活動の幅を広げる。プロバスケットボールプレイヤーの渡邊雄太選手と結婚後、アメリカ在住。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/久慈暁子