2012年に中田敦彦さんと結婚し、現在はシンガポールに移住した福田萌さん。2人の子どもに恵まれるも、周りから夫が「イクメンパパ」と呼ばれるモヤモヤがあったと語ります。(全2回中の1回)

産後は娘以外、誰とも話さない日も

── 夫の中田敦彦さんと、とても仲がよさそうですね。

 

福田さん:夫婦の会話は多いと思います。結婚当初から毎日1時間くらい仕事の話からたわいない話までしていますね。最近は、子どもが独立して夫婦2人の生活になった後も、お互いを思いやっていこうなどと話しています。

 

── 独身時代は忙しくお仕事をされていました。出産後、専業主婦になってどんな生活になりましたか?

 

福田さん:独身時代は仕事を通じて毎日たくさんの人と交流し、地方ロケなども含め、いつでもどこでも必要とされたら出かけることができました。それが1人目を出産した後、専業主婦になってから生活が一変。

 

夫は仕事で忙しく、深夜に帰宅したり地方ロケに行ったりして、家族で過ごす時間はわずかでした。娘以外、誰とも話さない日もありました。働いていた時と比べて人と会う機会も新しい出会いもめっきり減り、鬱々とした気分になることも。

 

2人目が生まれる頃には、ママ友も増えて以前のような孤立感は薄れてきました。それでも子育ては相変わらずワンオペ状態だったので、週末に子ども2人を連れてショッピングモールに行くと、家族4人で賑やかにしている風景を見て、我が家もそうなれたらいいのにな、と思っていたこともありました。

皿洗いは3日で終わった夫

福田萌
夫婦でタイ旅行に行ったとき

── 中田さんは、以前、育児雑誌の連載で子育てについて語っていました。

 

福田さん:育児について考える機会が増えることはいいことだと思います。反面、夫が子どもたちを連れて公園に行ったのは1回しかないのに、まるでいつもやっているかのように言うし、まわりからもイクメンのパパで羨ましいと言われ、モヤモヤする気持ちもありました。

 

── 以前、旦那さんが「いい夫をやめました」宣言をされました。福田さんはどう受け止めましたか?

 

福田さん:夫が離婚を考えているのかと思い、ショックでした。夫は、仕事のほかにも家事や育児を頑張っているのに、感謝されるどころかどんどん要求が上がっていくことに疲れていたようです。

 

夫の宣言を知ってから、自分でも夫に理想的な父親像を求めていたと思ったし、いい母親像に自分を当てはめようとしていることにも気がつきました。それからは、今まで頑張っていた部分を見直し、家事代行も利用するようになりました。家事も育児もすべて母親である自分がやらなきゃと思っていたことが解放されて、時間的にも気持ち的にも楽になりました。

 

それに、私が当初落ち込んでいる姿を見て、彼はいい夫をやめるだけで、離婚を考えているわけではないとわかり、安心しました。

 

── 旦那さんとは、家事分担はされていたのでしょうか?

 

福田さん:夫はまったくやりません。以前、「お皿を洗います」宣言をしたものの3日で終わりました(笑)。

 

改めて私はなんでこの人と結婚したんだろうと考えてみたら、家庭的なことができることを重視していたわけではなく、仕事を頑張る姿を尊敬して好きになったことを思い出しました。夫は仕事に専念しているし、家事もやってくれたらラッキーと思うようになりました。

夫について思うこと

福田萌
赤いカットソーがお似合い

── 現在、ご家族でシンガポールに移住しました。移住後の生活は順調ですか?

 

福田さん:夫は家にこもってYouTubeの撮影をしています。真夜中に夫がYouTubeの撮影で気持ちが高まったのか、部屋から「オラオラ-!」と声だけめちゃくちゃ響いてる時があり、近所からクレームが来ないか心配です(笑)。私は友達に会うなど、外出する機会が増えたし、お互いいい距離感が保てていると思います。子どもたちは学校にも慣れて楽しく過ごしています。

 

── 旦那さんがYouTubeで発信する内容が話題になることもあるかと思います。福田さんはどう考えますか?

 

福田さん:芸人の提言の話題もそうでしたが、世間をお騒がせして申し訳ないと思います。夫は何かを改善したくて発言しているので、意見を伝えられたことはよかったと思います。でも、夫に限らず私もそうです。自分が発信したことがまっすぐ伝わっていない時もあるので、より正確に伝えられるように精進していきたいですね。

 

また、夫はあいまいな発言をしていたら仕事がなくなるかもしれないと、危機感を募らせていた時期もありました。はっきりと意見を言うことで、ネットニュースでも注目され、現場のスタッフさんにも喜ばれる。プロレスでいうヒール役を買って出ていたところはあると思います。それでも夫の発言で誰かを傷つけてしまうこともあり、真摯に反省しています。

 

── 移住後の生活も穏やかであり、刺激もありそうです。

 

福田さん:夫婦で移住する場合、どちらかが反対したら実現できません。言い出したのは夫ですが、私もおもしろそうと賛成したので、スムーズに進みました。夫を信頼して移住を決断したことで、夫婦の信頼関係は深まったかもしれません。

 

PROFILE 福田萌さん

岩手県出身。2012年オリエンタルラジオ中田敦彦と結婚。書籍『「中田敦彦の妻」になってわかった、自分らしい生き方』を出版。写真は「福田萌公式インスグラム」より。

 

取材・文/間野由利子