2人の子どもの母であるニッチェ江上さん。夫の子育ては称賛されることに違和感がありつつ、どのように家事分担、子育てに向き合っているのか。地域コミュニティのきっかけは。(全5回中の5回)
「素晴らしい旦那さんですね」に思うこと
── 夫婦共働きで子育てをされていますが、家事や育児の分担はどうされていますか?
江上さん:私も夫も実家が遠く、親に手伝ってもらうことも難しいので、二人で分担してやっています。夜中のミルクは夫と交代。食事はたまに夫が作ってくれますけど、お惣菜を買ってくることが多いですね。
── 江上さんが泊りがけの出張に行く場合、お子さんは旦那さんが見ているのですか?
江上さん:夫が子ども2人を見ていますし、夫が出張に行くときは私が子どもたちの面倒を見ています。夫婦で家事育児を分担していると話すと、「素晴らしい旦那さんですね」と言われることもありますけど、「全然すごくないですよ。私も同じように働いてます」と伝えてます。
── 家事分担をする夫婦がいる一方で、夫婦共働きでも家事、育児の分担について葛藤を抱えている人は多いかもしれません。
江上さん:子育てや家事は、妻がするべきものと思っている人たちは、男性に限らず女性でもまだたくさんいるでしょうね。または、妻が育児や家事を分担したいと思っていても、旦那さんの意識が改善されなくて苦しんでいたり、途中で諦めて1人で引き受けている人もいるかもしれません。結婚前にそのあたりの話ができていたらいいんですけど…。
子どもたちが大人になった時、どんな家庭を築いていくかですよね。共働きで妻にかかる負担が減り、旦那さんも育児の楽しさを知り、夫婦で楽しみながらやっていけるといいですね。
居酒屋から始まったコミュニティ
── 独身時代、ご夫婦ともに居酒屋によく飲みに行かれていたそうですが、今はどうしてますか?
江上さん:今も交代で行ってますよ。夜9時に子どもを寝かしつけて、夫が行く日は私が家で子どもと過ごし、私が行く日は夫が子どもと留守番をします。週何回か夫婦交代で飲みに行きます。
── 居酒屋に行くのとは別に、旦那さんの休みの日を作っているそうですね。
江上さん:夫には丸一日休みを作るようにしています。私が仕事で地方に行く場合、新幹線での移動中は一人なので寝ることもできます。でも、夫はなかなかゆっくり休めないので意識して休みを作ることが必要だと思っています。
ご近所さんが、夫に家でゆっくりしてもらうため、子どもを連れて一緒に出かけようと誘ってくれることもあり、とても助かっています。
── ご近所の人みんなで子育てをしているんですね。どうやってご近所さんと繋がっていったのでしょうか。
江上さん:最初は飲みに行った先でいろんな人と知り合い、そこからご近所づきあいに発展し、お互い子どもがいれば子育て仲間になることもあります。私、友達が多いからどんどん仲間が増えていきますね(笑)。近所に住んでる人で仲良くなった人がいっぱいいて、ご飯を作って持ってくよとか、うちで子どもを見るからゆっくり食事しておいでよと言ってくれることがあって、田舎のご近所づきあいを東京でやっているような感じです。子どもたちもご近所さんに慣れているので、できることかもしれません。
私も、小さい頃は実家のある田舎でよくご近所のおじいちゃんおばあちゃんの家に、子どもたちだけで遊びに行ってました。私が小さい頃、田舎で体験したことを、今東京でやっているイメージです。本当に近所の人たちに助けられているなと思います。
PROFILE 江上敬子さん
1984年生まれ。島根県出身。お笑いコンビ・ニッチェとして、相方の近藤くみこさんとともに活動。『女芸人№1決定戦THE W』に出演、2年連続決勝進出。
取材・文/間野由利子