20代後半で卵巣腫瘍の手術をしたニッチェ江上敬子さん。夫との出会いから結婚、子どもについてどんな話を経て結婚したのでしょうか。(全5回中の1回)

夫の最初の誘いは「予定がある」とドタキャン

── 旦那さんとの出会いについて教えてください。

 

江上さん:夫とは地元の行きつけの居酒屋で知り合いました。私は、当時付き合っていたバンドマンと別れたこともあり、いつも以上に飲みに行く頻度が増えていたんです。夫は私がよく行く居酒屋の常連客で、顔は見たことはあったものの、言葉を交わしたことはありませんでした。その日は、酔った勢いでなんとなく会話が始まったんだと思います。

 

── 楽しいお酒になりましたか?

 

江上さん:たぶん楽しかったんだと思います。お店を出るころには酔いも回って、彼が家まで送ってくれました。すると、偶然にも私の家が彼の仕事先のビルの隣。親近感も湧いたせいか、翌日も飲みに行く約束をしていました。

 

でも、翌日、酔っ払っていて前の日に約束したことを全く覚えておらず、メールで彼から「今日はどこに行きますか?」ときて驚き。昨日初めてちゃんと話したばかりのおじさんとご飯に行くなんて考えられず、お断りのメールをしてしまいました。

 

この話を居酒屋のマスターに話すと、マスターが「彼はすごくいい人だから仲良くなる分には損はないよ」と。さらに、彼は花見の宴会でみんなが騒いでいるなか、参加者が連れてきた子どもたちの相手を最後までしたり、病気になった飲み仲間を最期まで献身的に支えたといったエピソードも聞きました。そんないい人なんて知らなかった!改めて私から誘って飲みに行く約束をしました。

絶対に子どもが欲しいと言われて

江上さん幼少期の頃

── その後、おつき合いが始まっていったと。

 

江上さん:夫と何度か飲みに行くようになり、話の流れからつき合うかどうかという話題になったんです。夫は当時30代後半。結婚を前提にしないとつき合えないと言われ。私も30歳になる頃でしたし、お互い将来を考えてつき合いが始まりました。1年ほどおつき合いが続き、彼が39歳、私が31歳になる前日に籍を入れました。

 

── 子どもについても、お話されたそうですね。

 

江上さん:夫から、つき合ってすぐに絶対に子どもが欲しいと言われました。結婚の話も具体的に進んでいない段階で、子どもの話をされたら正直引きますよ。とはいえ、結婚するなら子どものことをちゃんと考えてくれる人がいいなとも思ったんです。

 

また、私は20代後半で卵巣腫瘍になって卵巣をひとつ切除しています。それを機に結婚や出産、もし子どもが望めないとしたらどうするかを自分の中で考える機会もありました。もし子どもが産めなかったら、養子も選択肢のひとつとして考えていたんです。夫に事情を説明すると、夫も同じ考えでした。そのあたりからさらに夫との結婚を意識していきましたね。

980円のデニムを5年履く夫

江上敬子、近藤くみこ
ロケの間にて

── 2015年に結婚されました。

 

江上さん:結婚後も仕事が忙しかったため、漠然と子どもを望みながら5年近くは仕事に集中していました。その後、不妊治療を経て子どもが生まれ、今は2人の子どもがいます。毎日仕事に家事子育てに慌ただしいですが、賑やかで楽しいですよ。夫は、結婚前から子どもを望んでいたこともあり子育てにも積極的。家事も子育ても分担してやっています。当たり前のことかもしれないけど、それがすごくよかった。外見よりも中身だなということは、結婚してから思いました。

 

── 人間性は大事ですね。

 

江上さん:夫と出会った時は、結婚するなんて到底思えないタイプだったんですけどね(笑)。前髪は長く伸び、お土産で買うようなご当地Tシャツを着て、スーパーの衣料売り場とかで買った980円のデニムを5年履くような人でした。しかもチャックが壊れている!でも、つき合いはじめてから私のオススメのヘアサロンで髪の毛を切ってもらうなど、少しずつ変えていきました。

 

── 旦那さんと結婚して正解でしたか?

 

江上さん:もう間違いなかったです!毎日が穏やかで本当に感謝しています。

 

PROFILE 江上敬子さん

1984年生まれ。島根県出身。お笑いコンビ・ニッチェとして、相方の近藤くみこさんとともに活動。『女芸人№1決定戦THE W』に出演、2年連続決勝進出。

 

取材・文/間野由利子