父・関根勤さん譲りのユーモアと抜群の対応力ですくすく育った優等生という印象のある関根麻里さん。ところが高校時代は反抗期もあったそうです。(全4回中の1回)

一生に一度のプロムを欠席

── 父・勤さんとのエピソードや番組でのコメントなどから、関根さんはまっすぐ素直に育ったというイメージを持っています。

 

関根さん:そんなふうに言われることも多いのですが、やっぱり思春期はそれなりに大変でした。なんでも話す家族ですが、常にモヤモヤしていたし、その気持ちをうまく伝えられなくて。めちゃくちゃひねくれていました。

 

── ちょっと想像がつかないです…。

 

関根さん:プロムって知ってますか?アメリカの映画やドラマなどに出てくるダンスパーティーなんですけど。インターナショナルスクールの高校生にとっては卒業前に盛り上がる最大のイベント。でも私、行かなかったんです。

 

── もったいない!一生に一度の機会ですよね。

 

関根さん:本当ですよね、でも当時の私に参加する気持ちはなかったんです。準備段階から盛り上がっているクラスメイトたちに対して「はしゃいじゃって…」と斜めから見るような感じでしたし、ドレス選びや一緒に行く相手を誘うこと、みんなで楽しくダンスすることすべてがカッコ悪く感じてしまっていました。いろいろな感情が重なって「プロムなんてさ」みたいになっちゃったんですよね。

 

今振り返ると、もっと素直に思いっきり楽しめばよかったのに、なんであんなにスカしてたのかなって思います(笑)。もったいないことをしたとも思うけれど、それはそれで青春だったなって思っています。

 

愛犬ライルの特大ポスターにご機嫌なポーズをとる高校生のころの関根さん

── 「行かない」と言ったときのご両親の反応は?

 

関根さん:ありがたいことに、プロムを「カッコ悪い、なんか恥ずかしい」と言う私に「そういう時期かもね」みたいな感覚で理解してくれていましたね。

 

プロムには行かずに友達とボウリングに行ったんですけど、父も一緒でした(笑)。

 

── お父さんも!?それはそれで関根さんらしいエピソードになっている気がします。

 

関根さん:確かに。ボウリングも本当に楽しかったので良い思い出です。父との思い出になっちゃっていますけれど(笑)。

反抗期をサポートしてくれた両親と愛犬

── ほかに思春期のモヤモヤで印象的なことはありますか?

 

関根さん:両親に「学校に行きたくない」と言ったこともあります。

 

── 登校拒否!?意外すぎます!

 

関根さん:両親は「じゃあ、(犬の)ライルの散歩をしながら行こう」と誘ってくれました。歩いているうちに気持ちが軽くなって、学校に着くころにはリフレッシュできて気持ちよく学校に行けたりしました。

 

いつも寄り添ってくれた愛犬ライルと

── ご両親と愛犬が気持ちを切り替えるきっかけをくれたのですね。

 

関根さん:当時はライルの存在にすごく助けられました。思春期のモヤモヤを乗り越えられたのはライルのおかげと言ってもいいくらい。家出とかはしなかったけれど、モヤモヤしまくる反抗期は私にもありました。父には外面良子ちゃんって言われています(笑)。

 

── 無遅刻無欠席の優等生、というイメージを勝手に持っていました。

 

関根さん:そんなイメージを持っている方も多いかもしれませんが、私にも反抗期はありました。でも、外面良子ちゃんだからバレていないだけです(笑)。

父の教え「人生は楽しい」を受け継いで

── ご両親は熱心かつ丁寧に関根さんと向き合ってこられた印象を受けます。ご両親からの教育方針で受け継いでいることはありますか?

 

関根さん:父は子育てにおいて「人生は楽しい」ということを伝えたかったそうです。父は、壁にぶつかったり、大変なことがあったときに、楽しい思い出があると乗り越えることができると考えていて、だからたくさんの愛情を注いで一緒に楽しいことをしてくれました。

 

当時は一緒にふざけるのが楽しくて、父がどういう理由でやっていたのかなんて考えもしなかったけれど、大きくなってそんな話を聞いて、自分も同じように娘たちに「人生は楽しい」ということを伝えていきたいなと思っています。

 

たくさんの愛情を注いで「楽しさ貯金」をしていきたいと思って、実行しているところです。

 

父・勤さんに肩車される幼少期の麻里さん。お揃いのジャケットがおしゃれ!

──「楽しさ貯金」って素敵な言葉ですね。

 

関根さん:生きていくための原動力、パワーになると思うので、両親の子育て方針を私もしっかりと受け継いで伝えていくつもりです。

 

PROFILE 関根麻里さん

東京都出身。1984年生まれ。幼稚園からインターナショナルスクールで学び、2006年に米国エマーソン大学を首席で卒業した後、日本へ戻り芸能界デビュー。2014年に歌手のKさんと結婚し、現在は2児の母でもある。テレビ、ラジオ、ナレーション、絵本翻訳などマルチな才能を活かし幅広く活躍中。

 

取材・文/タナカシノブ 画像提供/関根麻里