小学4年生の母でもある、森三中の村上知子さん。母親になり、芸人の仕事について考えた時期もあったと言います。(全5回中の3回)

「芸人の子ども」として育っていくなかで

── 2014年に娘さんを出産されました。母になって、仕事に対する意識は変わりましたか?

 

村上さん:変わりましたね。汚い言葉を使えないなぁとか、人の悪口をあんまり言えないとか(笑)。子どもが幼稚園や小学校に行きだすと、子どもの友達がテレビを見て「お前の母ちゃん、こんなことやってたよ!」とか言われるんじゃないかって、ネガティブに考えていた時期もあります。だからといって、どうにもできないんですけど。

 

── そうした不安は、娘さんが生まれた当初のほうが大きかったのか、それとも娘さんの成長とともに変化していったのでしょうか。

 

村上さん:今思えば、昔のほうが大きかったかもしれないですね。この子が育っていく段階で、自分はどうしていけばいいんだろう…って漠然とした不安がありました。

 

でも、娘が幼稚園に行って、小学生になって、私がテレビに映っている姿を見ても、娘は特に嫌そうなリアクションをしてなかったんです。たぶん、子どもの周りの友達も含めて、私が『世界の果てまでイッテQ!』に出させてもらっていることが大きいと思います。

 

やっぱり『イッテQ!』は、子どもたちもみんな大好きで、それに出ているお母さんっていうプラスしかないというか。みんながテレビを観て喜んでくれて「面白かった!」って伝えてくれる。だから仕事に関してバカにしてくる人もいないですし、娘から「お母さん、こういうことするのやめてよ!」って1回も言われたことないですね。

 

むしろお母さんがテレビに出ているのが嬉しい。テレビでお母さんが頑張ってるのもわかっているし、お母さんがテレビで仕事をして、自分も生活ができてるって理解しているみたいです。

 

徐々にそうした漠然とした不安も消えていった感じがしますね。

遺伝子レベルで似てしまったもの

七五三のお参りに。色鮮やかな着物が素敵

── ところで、娘さんは村上さんにお顔も雰囲気も似ているそうですが、性格面でも似ていますか?

 

村上さん:顔とか仕草は私の分身かと思うくらい似ているし、ズル賢いところもメチャクチャ似てます(笑)。やりたくないことは理由をつけてやらないとか、上手く言い逃れをしようとするとか。親子ってダメなところも似るんですね(笑)。

 

── 村上さんはお料理がとてもお上手だと聞きますが、娘さんは食に関してはいかがですか?

 

村上さん:食べ物にはすごく興味があって、ほとんど好き嫌いもなく残さず食べます。苦手なのはパクチーくらいかな。ただ、怖いくらいに食いしん坊(笑)。食に卑しいところまで私と似てしまって恥ずかしいんですけど…。

 

たとえば私はひとりっ子なんですが、子どものころ、よく母が作ってくれた食事を独り占めしていたんです。母がたくさん唐揚げを作って大皿に盛ると、唐揚げを自分の小皿にたくさん入れてキープしてたんですよ。驚くのはそんな話、娘に1回も話をしたことないはずなのに、娘も同じことをしてるんです!

 

うちは、私も旦那も娘もすごく食べるので、みんなの胃袋が満たせるように大量に唐揚げを作りますが、娘も唐揚げを独り占めしようと、自分のお皿にどんどん唐揚げをよそうんです。「自分の取り皿にまだ残っているから食べてからにしなさい」「まだ食べきってないよ」「大人になったら恥ずかしいからやめなさい」って言っても直らなくて。今でも好きなものに関しては食い意地がすごいし、食い意地も遺伝子レベルで影響するのかなって思いました。

 

PROFILE 村上知子さん

1980年生まれ。お笑い芸人。1998年に黒沢かずこ、大島美幸とともにお笑いトリオ森三中を結成。2008年に結婚して、1児の母に。

 

取材・文/松永怜