出会いから3週間で結婚した森三中の村上知子さん。それまで彼氏がいなかったと語る村上さんですが、様々な展開を急ぐ理由があったと語ります。(全5回中の1回)
むしろ、こっちが遊んでやる!
── 28歳で結婚されましたが、それまで合コンなど、婚活を積極的にされていたそうですね。
村上さん:26歳あたりから毎月のように合コンに行ってました。結婚願望が元々強かったのと、大島さんが22歳で結婚した影響もあったと思います。でも、なかなか結婚に繋がるような出会いもなく…。
── 占いもされていたとか。
村上さん:当時、ルミネtheよしもとに出ていたので、舞台終わりに「新宿の母」に寄っていました。その後、しばらくしてオーストラリアにオーラが見える占い師がいると聞いたんです。ちょうど、MAXのNANAさんと仕事で仲良くなって、NANAさんと一緒にオーストリアに旅行に行きがてら、占い師さんのところにも行くことになったんです。そこから流れが変わっていって。
── 占い師さんに何か言われたのですか?
村上さん:「2歳年上の魚座の人と結婚する」って言われたんです。そうか、2歳年上の魚座の人かぁ…と思って日本に帰国。その後もいろいろな飲み会に参加していくなかで、少しでも気になる人がいると「ちょっとすみません、2歳年上ですか?魚座ですか?」っていうのを片っ端から聞き出して。でも、なかなかピッタリ条件が合う人は現れなかったんです。
それからしばらくして、たまたま参加した飲み会に今の旦那がいました。いつもと同じように「2歳年上の…」と聞くと、2歳年上だけど魚座ではなかった。魚座じゃないのか…と思ったものの、すごく喋りやすい人だなと。
そこで、結婚するのはこの人じゃないかもしれないけど、お友達になるにはいい人そう。そもそも、私は今まで彼氏ができたことがなかったし、男の人と2人でご飯に行くこともほぼなかった。デートはおろか、男性経験なんてもちろんない。言い方悪いですけど、結婚までの練習…繋ぎ?でもいいし、遊びでもいい。むしろ、こっちが遊んでやる!くらいの感じで男性に慣れていったほうが、結婚へのステップアップになるんじゃないかなって。
── 旦那さんの第一印象はいかがでしたか?
村上さん:この人のあいづち気持ちいいな…!って思いました。ビビってきたというか。今までは誰かと話をしても、相手のリアクションが気になってしまったんです。私がこういう話をしてるのに、そんなリアクションするんだって。私の見方の問題かもしれませんが、そんなところに目がいき出すと、相手の人柄もどんどん嫌なふうに見えてしまって…。でも旦那と喋っているとそれがなかった。「そのあいづち嬉しい!」って心地良かったんですね。
飲み会当日に連絡先を交換して、ちょうどUSJのチケットをもらっていたので、「今度一緒に行きませんか?」って私から誘いました。「あ、いっすねー!」みたいなノリで、リアクションがいいなと。ただ、USJは泊まりになるしスケジュールもあるということで、まずは飲みに行くことに。出会いから2日後に、2人で飲みに行く約束をしました。
早く家に連れ込まないと…
── 積極的にいかれたと?
村上さん:すごく積極的でしたよ…!なんで積極的だったかっていうと、私がちょうど映画の仕事が入っていて、初めてベッドシーンの撮影を控えていたんです。今まで彼氏ができたこともなかったのに、仕事で濡れ場を経験するのはちょっと悔しい。もう、誰でもいいから男探すか。プライベートで誰かいい人いないかなってすごく焦ってたんです。そんなときに旦那と出会いました。
── ちなみに旦那さんと出会った飲み会から、映画の撮影までどれくらいの期間があったんですか?
村上さん:結局、映画の撮影自体が3、4か月くらい延びちゃったんですけど、当初の予定では、旦那と出会った翌月から撮影するはずでした。だから早いとこどうにかしなきゃって、それが全部あと押ししてましたね。今考えてもすごい積極的。撮影まで逆算して、早くご飯行って、早くどうにかしなきゃって、シミュレーションしてました。
──(笑)。まず、初デートはいかがでしたか?
村上さん:居酒屋に飲みに行って、その流れで私の家に旦那を連れていきました。早かったです!
── どのような流れで家に来たのでしょうか?
村上さん:もう、早くどうにかするには、映画のことも正直に話すしかないと思って、とにかくお酒を飲んだんです。飲んで、飲んで…でも不思議なもんで、私そんなにお酒強くないんですけど、気持ちの焦りからか、いくら飲んでも酔わなくて。今度は酔わないことに焦ったり。
で、なんとか酔いが回ってきたときに、勢いに任せて実は今度映画の仕事があって、ベッドシーンがあると。今まで男性とつき合ったことがないのに、仕事で濡れ場を経験するのも悔しいみたいなことを伝えたんです。
すると旦那が、「じゃあ僕で力になれるなら」と理解してくれて、自宅に呼んで添い寝してもらいました。
── その日は添い寝だけと約束をしたんですか?
村上さん:2人とも酔っ払ってたし、次の日も早かったのですぐ寝なきゃと。寝る時間もほとんどないまま朝も急いで出ていく感じだったので。
よくよく考えると、結婚しようとは言われてない
村上さん:添い寝以降、家で手料理を振る舞ったり、旦那の友達に会わせてくれたり。出会ってから1週間で、3回くらい会ってましたね。旦那の友達に紹介してくれるっていうことは、会わせても恥ずかしくない存在なんだなって思ったし。正式に付き合おうって話はしてないんですけど、お互いそんな雰囲気だったような気がします。
そして、旦那と出会って1週間後、旦那に「初めて結婚したい女性に出会った」って言われたんです。私は自分からデートに誘ったものの、あんまりアプローチが強すぎても相手に逃げられるんじゃないかと思って、これでもセーブはしていたんです。
でも「今、結婚したい女性に出会った」って言ったよなと。
よくよく考えると「結婚しよう」とは言われてないんですよ。だけどこっちは結婚するもんだって思ってしまった。もう、今まで抑えていた気持ちが抑えられなくなっちゃったんです。
そこから旦那に「え?いつ結婚する?」「いつ?」ってどんどん話を持っていきました。
向こうはちょっと戸惑ってて、「いや、そういうことじゃなくて」と。「じゃあ、どういうことなの?今、結婚したい女性に出会ったって言ったよね。今、結婚したいと思ってるってことは、多分結婚すると思うから。それなら今しても、3年後にしても、結局結婚するんだから今してもいいじゃないか」ってどんどん畳み掛けちゃって(笑)。結局、初めて旦那と出会ってから3週間後に結婚しました。
── すごい急展開ですね…!
村上さん:早くしなきゃって急いでましたから(笑)。
結果、今年で結婚15年目になりますが楽しくやってます。娘に恵まれましたし、あの勢いで結婚して良かったと思います。
PROFILE 村上知子さん
1980年生まれ。お笑い芸人。1998年に黒沢かずこ、大島美幸とともにお笑いトリオ森三中を結成。2008年に結婚して、1児の母に。写真(C)YOSHIMOTO KOGYO CO.,LTD
取材・文/松永怜