不妊治療を経て3人の子どもを授かった東尾理子さん。ダウン症の疑いや40歳を過ぎてからの高齢出産。夫婦でどのように不妊治療に向き合ったのでしょうか。(全5回中の3回)
ダウン症の疑いがあっても
── 東尾さんは34歳で結婚されて、3人のお子さんは不妊治療を経て授かっています。いつごろから子どもについて考えていたのでしょうか?
東尾さん:子どもは結婚してすぐに欲しいと思っていました。ただ子づくりを始めてから10か月たってもなかなか妊娠できなくて、病院でタイミング法を試したんです。でも、うまくいかなくて人工受精へとステップアップしました。
── 不妊治療は、心身ともにつらかったのでは?
東尾さん:体外受精の過程で、全身麻酔をして採卵しましたが、そのときはつらかったです。麻酔が切れた後、とてもひどい生理痛のような痛みを感じて、その日は1日ベッドで横になっていました。その後、治療を重ね無事に受精卵を移植できて妊娠することができました。
── 1人目のお子さんを妊娠中、ダウン症の疑いがあるといわれたそうですね。
東尾さん:妊娠15週目で受けた検査で、ダウン症の可能性が82分の1と診断されました。夫は、21歳年上だったこともあり、残される子どもと私のことを考えて、さらに詳しい羊水検査を受けたほうがいいんじゃないかと言いました。私はどんなことがあってもこの子を産み育てたいと思い、検査を受けることなく出産に至りました。
── 東尾さんはその後、不妊治療を経て2人のお子さんを授かりました。さらに3人目のお子さんを迎えたいと思ったのはなぜでしょうか?
東尾さん:不妊治療で2人目を妊娠したタイミングで受精卵をもう1つ病院で凍結保存できたんです。私は、その受精卵のことがずっと気になっていて。凍結受精卵を移植するのか、破棄するかとなったとき、夫と相談して最後の受精卵を子宮に戻すことにしました。私は40歳を過ぎていたこともあり、妊娠する確率は高くはなかったものの無事に妊娠。とてもかわいい3人目の子どもが生まれました。
夫婦でお墓参りへ
── 不妊治療中、石田さんも一緒に病院に行かれたそうですね。
東尾さん:夫は仕事のスケジュールが合えば一緒に病院に来てくれて、2人で先生の話を聞くようにしていました。
── 不妊治療を通して、夫婦仲が悪くなるケースもあるようです。東尾さんご夫婦はいかがでしたか?
東尾さん:私たち夫婦の場合は、不妊治療をきっかけにご先祖様を大切にしようと、ご先祖様のお墓参りに行ったり、不妊治療を通して、夫婦で日々の小さな楽しみを見つけていました。正直、体力的にきついなと思うこともありましたが、そんなときは夫と美味しいご飯を食べに行ったり、リフレッシュする時間を設けました。おかげで、主人とは不妊治療を通してより夫婦の絆が深まったと思います。
あとは、夫が近くにいなくても今自分ができることを考えながら過ごしていましたね。途中で生理が来ても、まだできることはあるか、妊娠に良さそうなものはなんだろうと考えます。
ホットヨガをやったり、ザクロを飲んだり。神社へのお参りや韓国旅行でのヨモギ蒸し風呂体験など、さまざまな方法を試しました。
今は3人の子宝に恵まれて、慌ただしくも楽しい日々を過ごしています。
PROFILE 東尾理子さん
福岡県出身。2009年12月、俳優・石田純一氏と結婚。現在3人の子どもの母として、育児と仕事に奮闘。日々の暮らしを綴ったブログ「Route-R」が人気。
取材・文/間野由利子