2022年に結婚した南海キャンディーズの山崎静代さん。結婚に至るまでの経緯や、結婚生活で疑問に思っていることを伺いました。(全3回中の2回)
自分の心境の変化を絵で気づく
── 山里さんと山崎さんの掛け合い漫才で、多くの笑いが生まれてきました。ただ気になるのは、一時期、山里さんとの不仲説が流れていたこと。その辺のお話を聞いてもいいですか?
山崎さん:いいですよ。忙しくなると、やっぱり余裕もなくなりますからね。コンビの仲の良さなんて変化するもので、当然、不仲な時期もありましたよ。でも、今ではそんなことはないです。自分がどう変わったかってのはあんまりよく分からないんですけど、以前、絵の個展を開いたときに、足を運んでくれた方から言われた言葉が印象的に残っていますね。
── 2023年5月に開催された、山崎さん初の個展ですよね。絵画の話は後でまた聞きますが、なんと言われたんですか?
山崎さん:「結婚した後の絵は印象が変わった」と言われたんですよ。「なんだかタッチが優しくなった」って。確かにそう言われると変わっているんですよね。やっぱり、時間をかけて心境の変化があったんだと思います。
異性には積極的に告白するタイプ!
── 心境の変化を語るうえで、結婚のお話は欠かすことができないと思います。まず山崎さんは2022年12月に入籍されました。おふたりのなれそめから教えていただきたいです。
山崎さん:旦那とは、2021年6月の舞台『徒然アルツハイマー』で共演させていただいたのがきっかけで出会いました。すごい才能のある方だな、というのが第一印象でしたね。
── 佐藤達さんは1974年生まれの俳優。秋田県出身で「劇団桃唄309」に所属し、映画などにも出演。紙芝居詩人としても活動していて、ピン芸人が活躍するR-1グランプリにも出場した経験があります。
山崎さん:公演中はとくに何もなかったんですが、終わってから私から強めにアプローチをしていったんですよ。たとえば、旦那が働いているバイト先のお店に通ったりとか、かなり積極的に動きましたね。
── 山崎さんは昔から自分の気持ちをストレートに伝えるタイプですか?
山崎さん:伝えますね。例えば幼いとき、とくに保育園の低学年の頃は男の子を追いかけ回して、何人もの男の子に好きだとアピールしていましたからね。それ以降は恥ずかしがるようにはなりましたが、好きな相手にはストレートに告白しますね。
── ちなみに今までの結果はいかがでしたか…?
山崎さん:ゼロですよ。
── では、今回が初勝利ということですか?
山崎さん:そうなんです。ただ、最初はずっと断られていたんです。でも、否定はしつつも、本気で拒絶するような雰囲気もない…まだ可能性あるかもって。邪険にせずにそれなりに相手をしてくれていたんですよ。なので私はチャンスと思って、誰かを仲介役にして「先輩のイベントに皆で出席しませんか?」と誘い出す口実をずっと探していましたね。そして、旅行をきっかけにおつきあいをするようになったんです。
出会ってからの心境の変化を紙芝居にして
── おめでとうございます。そもそも結婚願望はあったんですか?
山崎さん:最初はほとんどなかったですね。ただ、年齢が上がるにつれて、少しずつ出てきたって感じです。一般的な家庭だと、親が心配して「早く結婚しなさいよ!」とか言われるんだと思いますが、ウチはまったく違くて。お互いに好き勝手やっている感じなので何も言われなかったですね。
── 佐藤さんからのプロポーズは紙芝居だったと聞いていますが、これは事実ですか?
山崎さん:事実です。私と出会ってから今までのこと、例えばどういう印象で、どういう風に思ってとか、心境の変化を旦那さんの目線でまとめたものを紙芝居にしてくれたんですよ。そして、紙芝居の最後の一枚で「結婚してください」と。私だけのために作られたものなので、嬉しかったですね。本当に幸せで…その瞬間を切り取って保存しておきたいとまで思いましたから!
── 紙芝居をネタにしている佐藤さんならではのサプライズですね。もしかして、ご両親の挨拶のときも紙芝居で?
山崎さん:さすがにそれはないですよ(笑)。そこはちゃんと真面目に!
ケンカをしたことがないけれど大丈夫なのか?
── 山崎さんご夫婦ならではの変わったルールなどはありますか?
山崎さん:新婚の夫婦だと、家を出る前にハグやキスをしたりするじゃないですか。私たちの場合は、ハグの後になぜかチークダンスを踊るってのが流行っていて。片方が踊り始めると相手も踊るという暗黙の了解があって「時間がないのにこんなんやっている場合じゃないよ」とか言いながらも、玄関先でしっかりと踊る。お互いにのってしまう性格なので、家を出る時間がいつも遅れてしまうんですよ。
── 新婚夫婦らしい、微笑ましいエピソードですね。
山崎さん:結婚してからは描きたい絵も変わってきていて、旦那をモチーフにした絵(カピバラの絵)やウエディングドレスの絵を描いたりしていますね。自分ではあんまり意識はしてないんですが、やっぱり、どこか変化はあるんだろうなって思います。
── 結婚生活に対する漠然とした不安などはありますか?
山崎さん:不安と言うほどまでではないんですけど、ウチらはまだケンカしたことがないんですよ。よく「ケンカするほど仲がいい」という言葉があるので、ウチらは大丈夫かなって気になっていたんです。そしたら、山ちゃんの夫婦もケンカをしないようで、なんや、無理にケンカをしなくてもいいんや、ってやっと思うようになれましたね。
旦那さんも「ケンカしても一緒にいられる関係でいたい」と言ってくれているので、たぶん大丈夫なんだと思います。もし、ケンカをしたら、そのときはそのときということで…。
── 山里さんは2019年に女優の蒼井優さんと結婚しました。ご夫婦4人で食事に行くこともあるんですか?
山崎さん:ありますよ。4人とも仲が良いので。冒頭のコンビの仲の良さの話に戻りますが、まさか、山ちゃんと家族ぐるみで楽しく食事をする日が来るなんて、当時は想像もできなかったですね。人生って、ホンマおもろいですね!
PROFILE 山崎静代さん
大阪出身。2003年に山里亮太さんとお笑いコンビ『南海キャンディーズ』を結成。2022年に俳優の佐藤達さんと結婚。芸人、女優、ボクシング、画家と多様なジャンルで活躍。2023年5月に初の個展『しずちゃんの、創造と破壊 展』を開催。8月にも伊勢丹浦和店で開催予定。
取材・文/佐々木翔