2007年の結婚を機に千葉県香取市に移住した佐藤藍子さん。田舎暮らし、地元コミュニティが確立されたなかで、どのように生活をしているのでしょうか。

あの人、佐藤藍子だよね…?

── 結婚を機に千葉県香取市に移住されました。家の周りはどのような環境ですか?

 

佐藤さん:香取市のなかでも少し人里離れた場所ですね。ご近所さんとも少し離れていますが、車で15分くらい行けば街中に出られます。

 

── 佐藤さんが芸能界で活躍する姿を見ていた方も多いと思います。地元の方の反応はいかがでしたか?

 

佐藤さん:最初の頃はスーパーに行くと、「ワッ!」って驚かれたり、「えっ?佐藤藍子…?」って二度見されることもありました。でも2、3回見たら慣れてくるのでしょうか。何度も通っているうちに、「こんにちは」とか「久しぶり」って挨拶するようになって。「こんなところに来ても何もないだろう」とフランクに会話してくれる人や、「よくここに来てくれたね」って、好意的に受け入れてくださる方もいますね。

 

そもそも、私が香取市に嫁いだときに、少し話題になったみたいです。あの辺で見かけたとか、あの病院にいたとか。ここは車社会なんですが、どの車に乗ってるかもバレてるし、スーパーの駐車場に車を停めていてもわかっちゃう。コソコソしようと思ってもできないというか(笑)。

 

馬小屋の中で馬と戯れる佐藤藍子さん

── 香取市は旦那さんの地元だそうですね。

 

佐藤さん:結婚した当初は、夫が「こんなお店がある」「あそこには誰々さんが住んでるよ」って、一つひとつ紹介してくれました。また、夫の周りには比較的、自営業の方もたくさんいて、私たち夫婦の家も夫の同級生のお父さんに建ててもらったんですよ。 

出来上がったコミュニティに入るってどうですか?

第15回全日本国民的美少女コンテストの審査員を(2017年)

── 地元ならではのコミュニティもありそうです。もともと新しいコミュニティに入っていくのは、得意なほうだったんでしょうか?

 

佐藤さん:全然(笑)。都心に住んでいたときは、「声掛けないで…!」みたいなオーラをガンガン出していたし、積極的に新しいコミュニティに入っていくタイプでもなかったですね。以前から知ってる人たちと交流を深めるほうが多かったのかな。

 

ここに移住した当初も、自分からグイグイと中に入っていくことはしなかったです。新しいコミュニティが苦手というよりも、芸能のお仕事が派手に見えたかもしれないし、私がここに住むことを、歓迎したくない人もいたと思うので。だから、ちょっとずつ会話をしていって、距離感を見ながら仲良くなれたらいいなって思ってました。

 

── 都心と田舎暮らしで大きく違うと思ったのは、どんなところですか?

 

佐藤さん:圧倒的に違うと思ったのは、昔から代々住んでいる方、土地に根づいている方が本当に多いんです。家族で7代目、8代目で住んでる家も珍しくなくて、御家柄とか、本家とか、そういったお話を聞くこともありますし。土地に愛着がある方も多いです。

 

私がここで暮らすうえで意識していることは、相手へのリスペクトでしょうか。この人はなんでこう考えているのか。自分の思いと何が違うのかっていうのを汲んでお話しするようにしています。

 

── 今まで過ごした環境も思いも違いますしね。

 

佐藤さん:そうなんです。人それぞれの歴史がありますから。今は、都心で暮らしていた頃と比べてかなり生活も変わりましたが、とても自然豊かな環境で、毎日穏やかに暮らせることに満足しています。

 

PROFILE 佐藤藍子さん

1977年生まれ。神奈川県出身。93年ドラマ「ツインズ教師」(EX)にてデビュー。ドラマ『総理と呼ばないで』や『篤姫』(NHK)などに出演。

 

取材・文/松永怜