エッセイマンガ家・藤田里奈さんが「脱毛しようとして股間が裂けた話」をTwitterで公開し大きな反響が。あまりにも痛そう(でもおもしろそう)なその内容は…?
自己流のセルフ脱毛で、股間を3針縫う羽目に
── 夏に海へ行くことになったのが悲劇の始まりだったのですね。
藤田さん:そうなんです。3、4年前の夏のことです。自宅で水着を着てみたらちょっと心許なかったので、「思いきってツルツルにしよう」と思いまして。友人がブラジリアンワックス(ワックスを塗り、固まったらバリっと剥がす脱毛)のサロンに通っていたことを思い出して、自宅用のセットを買ってやってみたんです。
サロンでやってもらえばよかったんですけど、人に見せるのが恥ずかしくて。結果的にもっと恥ずかしいことになったわけですが(笑)。
──「裂ける」というのはどういう状況だったのでしょうか…。
藤田さん:最初は順調だったんです。痛みも耐えられる範囲で。それで、いわゆる「Iライン」を攻めようと、ラインギリギリのところにワックスを塗って思いきり剝がしたら、ベリッと…。
── ひぃ…痛そう!
藤田さん:痛みもそれほどではなかったし、最初は「毛穴から血が出たのかな」と思ったんです。なかなか出血が止まらないのでおそるおそる確認したら、皮膚と粘膜の境目が、縦にザックリと裂けていました。
ばい菌が入ったら怖いので、とにかくナプキンをあてて婦人科のある総合病院へ行ったら、婦人科の受付が終わってしまっていて。外科を勧められましたが、この期に及んでもそれは恥ずかしくて…。たまたま皮膚科に女性の先生がいらっしゃったので、すがるような気持ちでお願いしました。
── 縫うほどの傷だったのですよね。
藤田さん:傷が深かったので、3針縫ってもらいました。麻酔を打ってもらって、股間をあらわにして縫ってもらっている間は、衝撃と恥ずかしさと、先生への感動が渦巻いて…何とも言えない時間でした。
── 傷はどれくらいで完治しましたか。その後、海へは行けましたか。
藤田さん:その後は通院の必要もなく、1か月くらいで完治しました。その年は、海へ行くのはあきらめました。翌年行きましたが、短パンスタイルの水着を選びました。そもそもそんな攻めた水着を買わなければよかったですよね。日焼けも気になるし、最近は露出の少ない水着が流行っていますし。
── 最近は脱毛はどうされていますか。
藤田さん:しばらくはトラウマを抱えて(笑)。手つかずだったんですけど、最近になって家庭用の脱毛器を買って、ちまちまとやっています。
──あくまで「セルフ脱毛」なんですね!
藤田さん:自宅で仕事をしていることもあって、脱毛のために外出する気になれなくて…。サロンに通おうとしたこともあるんですが、続きませんでした。もちろん、今回は取説通りにやっています!
股間を押さえて「ヒェーッ!」と言ってもらえるのが快感
── このエピソードに3.5万もの「いいね」がついています。
藤田さん:まさかこんなに広がるとは思っていませんでした。エッセイマンガには、誰かに話したいことを描いているんですけど、自分が痛かった話って人にしたくなるじゃないですか。この取材中も、話を聞いて「ひゃーっ!」と言ってもらえているのが快感で(笑)。マンガを読んで、股間を押さえて「ヒェーッ!」と言ってもらえたら嬉しいです。
あとは、「脱毛は自己流でやってはダメ!」ということを知ってもらえたら。ブラジリアンワックスは、正しく使えば自宅で使っても決して危険なものではないと思いますし、サロンでやってもらえばさらに安心です!
──最近は、VIO脱毛も一般的になってきましたよね。
藤田さん:そうですよね。私もすでに介護脱毛が気になってきました。介護はともかく、毛はないほうが快適ですよね。でも、ツルツルにした方から「自転車に乗るときに衝撃がダイレクトに伝わる」という話を聞いたこともあります。やはり、毛が生えているのは理にかなっているんですよね。そう考えると、人類はなぜ脱毛なんかするんでしょうね…?
PROFILE 藤田里奈さん
自らの体験を綴ったエッセイマンガを中心にTwitter(@foorina)やブログ「今日のはとにっき」などで配信中。著書に『トラベルはとにっき』『フランスはとにっき』(いずれも徳間書店)ほか。
取材・文/林優子 画像提供/藤田里奈